私がその話を聞いたのは小学5年生の頃、兄が中学3年生の時でした。
その日の夕方4時頃、私が学校から帰宅すると珍しく兄が先に家にいた。両親はまだ仕事から帰ってきていないようだった。
「どしたの?早いじゃん」
リビングのソファーに座っていた兄に声をかけても「ああ…」としか言わず、どこか落ち込んでいるようだった。
「なぁ…クロ…お前…霊感あったっけ?」
「んー。見たことないからたぶん無いと思うけど。本当にどしたの??」
兄の隣に座り、顔をのぞき込むと、兄は青白い顔をしていた。
「…もしかしてまた見たの?」
「…………うん……………」
「どこで?学校?」
「違う…」
そこで一旦言葉を止め、兄はキョロキョロと辺りを見渡し、さっきより小さい声で話し始めた。
(以下兄の話)


あんま怖がらせたくないんだけどさ、お前は霊感ないっぽいし大丈夫だろうから話すな。
実は今日、俺風邪で熱出て学校休んだんだよ。
んで、部屋で寝てたんだけど机の方からガサガサって何かが落ちる音がしたんだ。
起き上がるのもしんどかったから首だけで机の方見たら、なんなのかはよくわかんねぇけどササッと動いたのよ。Gかと思ったけどGより大きかった。
けど、熱でしんどかったしGじゃなさそうだったからそのまま寝落ちしちゃってさ。
起きたら熱も下がってたから起きてリビングに来たんだ。
んで、水飲みながらテレビ見てたら“トントントン”って足音みたいな音が聞こえてきてさ。
周り見ても何もいないし、その足音っぽい音はどんどん俺に近づいてくるわけ。
もうその時点で俺、半泣きだったんだけど何故か動けなくてさ。身体が怖さで硬直してたんだよ。
んで、ついにその机の辺り(うちはソファーとテレビの前に机が置いてある)に来た見たいなんだけど、そっから音がしなくなったんだよ。
内心ホッとして、もう部屋に行こうと思ったらさ、机の上に置いてある新聞がぐしゃっ!って踏まれたんだよ。しかもなんか10cmぐらいの足跡まで付いてるしさ。
もう悲鳴あげるのも忘れててさ。本当に硬直状態。
んで、また“トントントン”って音が鳴り出したんだけど、今度は俺から離れていってるみたいだった。
そしたらお前が帰ってきたんだよ。


この話を聞いた時、正直私は兄を疑っていた。
「ねぇ、その話って本当なの?だって新聞に足跡なんか無いじゃん」
私が新聞を見ると、足跡は見当たらなかっ

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コメント(4)

紫雲さん>>私もそう思います(笑) でも、本人はかなりのビビりなので「霊感なんてあると思うからあるんだ!俺に霊感なんてない!」ってよく言ってます(^^;

小人?足音するかな?お兄さんが連れて来てる気が…。子供ですよね?男の子。

お兄さん 無自覚の霊感持ちですよ(^_^;)

紫雲さん>>ああ!確かに! 恥ずかしながら、学校の事と家のことは別問題だと考えていました(^^; 兄が学校から連れて帰って来てしまったんですかね?

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