その子を初めて見たのは 母親に連れられ 説法を聞きに お寺に来ていた時でした。
若い子には 退屈な話の様で 彼女は下を向いたり 庭を眺めたりしていました。

私は廊下の隅に座り その様子を微笑ましく思いながら見ていると 私と彼女の目が合い 彼女はばつが悪そうに 前を向き大人しく説法を聞いていました。

休憩の時 お茶やお茶請けを出した後 彼女に声を掛け 別室に招きました。

私 「随分 若い方がお見えになってると思っていたのよ。でも…退屈でしょ?」

と 微笑みながら言うと 彼女も頷いて 笑顔になりました。

私 「高校生ぐらい?」

彼女 「はい。2年です。」

私 「こういう所は 初めて?」

彼女 「はい。お母さんがどうしてもって言って…」

私 「名前 聞いてもいい?」

彼女 「あっはいっ。美咲っていいます。」

私 「お母さんがどうしてもって…何かあったの?」

美咲 「最近…私が良く怪我をしたり 頭が痛くなったりして…でも…病気とかじゃ無いみたいで…だから お母さんがここに来てみようって…。」

私 「そう……他には?何か無い?」

美咲 「えっ !? あのぉ……。」

私 「ああ…ごめんなさい。私は このお寺さんにご縁がある者で 紫雲と言います。」

美咲 「いえっそうじゃなくて……何で他にはって…?」

私 「ああ…そっち……分かっちゃうのよ。そういうのがね。」

美咲 「って事は……霊能者とか?ですか?」

私 「ええ…一応。」

美咲 「っ助けて下さい ‼ 私…もうどうしたらいいのか分からなくて……お母さんには 部活でぶつけたって言ってるんですけど…。」

そう言って スカートを捲ろうとしたので 制止して 辺りを見て 障子を閉めました。

美咲 「あっ……すみませんっ。」

私 「いえ。大丈夫よ。それで?」

そう言うと 美咲さんは スカートを太腿まで捲り上げると

美咲 「これなんです…。ある日突然 こんな 大きなアザが出来てて…ぶつけたとかじゃ無いんです…こんなアザが出来るぐらいなら…自分で分かりますよね?」

私 「んー…ちょっと触るけどいい?」

美咲 「はい。大丈夫です。」

そっと 美咲さんの太腿に触れる。

私 「痛みは無いの?」

美咲 「まったく…無いです。」

私 「ちょっと ここで待っててくれる?」

美咲 「あの……。」

私 「心配しないで。ちょっと道具を取りに行

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コメント(14)

普通は言わないよ詐欺する人がいるから

人を呪わば穴二つ、ってやつですね。 間に合って良かったです。

怖いですね。些細な事でも、呪いになってしまうのですね。

普通は言わないよ詐欺する人がいるから

東京に住んでる者です 家は、代々神社の御神体を護るいえですが、そういうお願いよりお清めの方が多いです 紫雲さんの使っていたお払いは、反鏡方の様に思いますが、良く間に合いましたね! 呪詛は多かれ少なかれ、返されたときには命に関わりますし… 正しくなくても、人形を用意してなかったところを見ると初心者ですかね?

凄い話!

こう言う仕事っていくらくらいが相場なんですか?

結果が良かったです。沖縄県民です。沖縄には神がかり的な事で禁断の地に入り人が亡くなる事がある。自業自得でしょうがないけど、結果が最悪なパターンが多い。

豆腐さん。コメント有り難う御座います。 知らない話ほど 怖いものはありませんよね…。

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私の自宅の近所にも謎の空き家があります。と言っても人が死んだとかのいわくがあるとか、そこだけ暗いとかいうのではなく、決して大きくはないけど洒落た外観で日当たりも良さそうな一戸建て。強いて言えば、車通りの激しい大きな川の土手を兼ねた県道と、そばに広がる田んぼとの境界に立地していて、こんなとこに家を建てるかな?的な場所ではあります。記憶をたどると建ったのはここ20年くらい、建物の造りも最近のものですが、人が住んでいるのを見た記憶はありません。果たして人が住んだことすらないのでは、と思えるように綺麗なんです。ただ勿体ないことに手入れはされておらず、一部の窓ガラスはやっぱ割れ、庭も荒れ放題。マイホームなど夢の私ら一家からしたら、50万円くらいで譲ってもらえないかしらなどと本気で思っているくらいの物件です。でももしかしたら何かいわくがあり、手を出さない方が賢明なのかもしれませんね。今でもたまの散歩でそばを通りますが、見るにつけ勿体ない気持ちになってしまいます。

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