幼稚園の頃。私は現在の県にいる前は山形に住んでいまして、5歳の後半位に引っ越してきました。山形は良い所でした。初恋も山形で、勿論今は、そんな幼い時期もあったなあ位の感じです。
 初恋談はさておき。6歳の、夏休み前だったかな。母は専業主婦なので、いつでも家にいます。父はたまに出張がありますが、大体は夕食も一緒です。パパママっ子で、反抗期もなかったです。
 それは、父が出張の時でした。その日の夜は偶々母と一緒に寝ました。母の布団は部屋側で、左も前も襖があります。左はパソコン&机がある部屋で、前は台所につながる所です。横に棚を置いていて、その上に電話も置いていました。いつもは前の襖を閉めて寝るのですが、その日は開けて寝てしまいました。
 夜は毎日9時半に寝ます。一緒に布団に入って、いつの間にか眠っていました。
 ふと、目が覚めます。目を開けると、開いた襖の少し後ろで、横を向いた髪が肩より少し長い女性が立っている。
 ああ、ママは何してるんだろう。隣を見ました。
 
 あれ? ママいる。

 どう見ても、隣では母が寝ている。だけどどう見ても、前には横を向いた女性がいる。
 …あれは、だれだろう。そう思った途端、怖くなりました。
不思議で、怖くて、私はじっと女性を見ていました。よく見ると髪の長さは同じくらいですが、ボサボサですし、前髪が覆って目も見えません。間違いなく、母ではありませんでした。
 長いように感じましたが、実際はほんの数分でしょう。幼いながらの好奇心でした。
 ふと。
 まずい。
 顔が動き出す。少しずつ、こっちに顔を向けようとしている。
 もし、目が合ったら。
 急いで布団をかぶり、ぎゅっと目を閉じて、早く寝なくちゃと必死で自分に言い聞かせました。
 
 朝。
 
 いつの間にか寝ていたようです。開いた襖はそのままでしたが、女性はもういません。
 睡眠が浅いとき、人間は幻覚を見やすいものだということは知っています。
 しかし、あれはあまりにもリアルだった。
 今でも思います。あの時、目が合ってなくて良かった。
 それからしばらくは、襖を開けて寝られませんでした。
 読んで下さり、ありがとうございました。あっさりと怖く読めてもらえたら嬉しいです。

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