識さに呆れていると、Bはこう言い出した。
「実はさ、あの祠の扉。何かお札みたいなのが貼ってあったんだ…
 Cはそのお札を破いて扉を開けていた。あれは絶対何かヤバイものだって…」

Bが真顔でそう話すのを聞いてしまったためか、
俺は何か不気味な視線がこちらを覗いているような気がしてきて、急に寒気がしてきた。
Aも同じように感じたらしく、押し黙っている。

すると、外でCとDが騒ぐ声がする。
どうやら2人は、俺達はほっといて外で酒盛りを始めたらしい。
俺達3人はそこに加わる気にもなれず、
留学生2人に「もう寝るから少しはなれたところでやってくれ」と伝えると、テントに入って寝る事にした。
その時、CとDどちらか知らないが、
ボソっとそいつらの国の言葉で、俺達をバカにするよな言葉を吐いたのを良く覚えている。
発音のニュアンスと表情でそれがわかった。

真夜中、俺は何かの物音で目を覚ました。
テント近くの広場を、誰かが歩く音がする。
始めは、誰かションベンでも行ってるのか?と思ったが、何か様子がおかしい。
足音は2つのテントを中心に、広場をぐるぐる回っているようで、
止まる気配が無いうえに、それどころかどうも、段々と足音の人数が増えている。
CとDが何かしているのかとも思ったが、足音から察するに、人数は少なくとも5~6人はいる。
それと何か良く解らないが、妙な違和感も感じた。

俺はただ事では無いと思い、横で寝ているAとBを起こす事にした。
AとBははじめ寝ぼけていたが、外の様子がおかしい事に気付くと目がさえたらしく、聞き耳を立て始めた。
暫らく聞き耳を立てていると、
B「何かおかしくないか?」
俺「どう考えても今の状況はおかしいだろ」
B「いや、そうじゃなくて…」
A「じゃあなんだよ…」

そこで俺は、違和感の正体に気が付いた。
俺達がテントを張っている場所は、開けているとはいえそこまで広くはない。広さは畳15畳ほどだろうか。
その周囲を大回りに歩けば、
普通は草のすれる音や、すぐ横にある川に入って、水しぶきをあげる音がしないといけない。
でもそんな音は全くしない。ただ地面を歩く音しか聞こえない。
Aもそれに気付いたらしく、暫らく3人とも沈黙していた。

俺「…やっぱ原因は、Bの言ってた石のせいだよな?」
A「…だよな」

俺達は外に出て何が起きているのかを確認する勇気もなく、そのまま寝る事も出来ずじっとしていた。
する

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