数珠を私の左手の掌で小さく纏め右手の掌で蓋をする様に握らせました。
ピリッと電気が走った感覚がありました。
祖母が数珠を見てみろと言うので そぉっと右手を除けて数珠を見ると 緋色の数珠は 水晶の様に透明になっていました。

私 「えっ⁉なに?えっ⁉」

祖母 「………」

私 「えっ⁉ちょっ…なに?色が無くなったよ⁉」

祖母 「やっぱりな…。」

私 「なに?なにがやっぱりな?」

祖母 「守護様の力が強くなりすぎてるな…」

私 「は?守護様?なにそれ?意味が分からないよ⁉分かるように話してよ…」

祖母 「うん。お前が産まれた時に、わし等が憑けた守護様が力を使い始めたんだよ。」

私 「ん?守護様?憑けたって?!はぁ?意味わかんない…。」

祖母 「守護様は怖いもんじゃない。お前にとっては守り神だ。その守り神の力が強くなったって事は…お前はこれから災いにあうという事だ。」

私 「……?ん~と、何でその守り神?的なものを憑けられたのかな~?」

祖母 「お前が女だからだよ。」

私 「はい?女だからって?えぇ~っ‼なにそれっ?」

祖母 「血を継ぐ者の定めだ。父方の血は母方よりも遥かに強い。うちの家系は女には必ず守護様が2~6体憑いている。産まれた子が女だと守護様を憑ける決まりになっている。」

私 「じゃあ私が事故ってほぼ無傷に近い状態だったのも、その守護様のおかげって事?」

祖母は黙って頷いた。

私 「災いって…何が起こるの?」

祖母 「それは分からん。分からんが厄を迎えた歳の一年は必ず何かしら災いが起こる。」

私 「………」

祖母 「これからお前の目には今まで見えんかったもんが視える様になる。恐れるな。恐れれば禍いモノを呼び寄せてしまうからな。慣れんうちは仕方ないが そのうちコントロール出来る様になる。そうなれば自分で視ん様にも視る様にも自在に出来るようになる。」

私 「……私が事故を起こしたのも何か関係があるの?」

祖母 「お前はあの家の息子(半引きこもりだったらしい 私が事故を起こす数日前に近くの水門で自殺してたらしいです。)に呼ばれたんだろうよ。あの家には生気を感じらんからな。」

私 「そっ…かぁ」

何故か私は全てを受け入れる事が出来た気がした。何故かは未だに分からないけど…でも何と無くその時はそう感じた。

そして 19歳の一年間。
私は 警察官に顔を覚えられる程の尋常じゃな

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コメント(4)

こたくん。コメントありがとうございます。

大変な人生ですね。読みやすくて分かりやすかったです。紫雲さんのような宿命的な力はありませんが、霊的な体験を長い間してきて、未だに馴れることもできずに暮らしてきました。又の投稿楽しみしています。

面白かったです。

匿名さん。 ありがとうございます。 突然 事故に遭い 突然 霊能力がつくとか最初は物凄く 混乱しました。 怖い思いもたくさんしました。 それでも 何とか慣れて行くしか無いのだと自分に言い聞かせて 過ごして来ました。 こんな私でも まだまだ分からない事だらけです。

紫雲さんの投稿

長編

暗い場所に建つ家

紫雲

そこは、霊感が多少ある人なら、何と無く道を通るのでさえ嫌だと感じるそんな場所でした。表通りから、300mくらい入っ...

私の自宅の近所にも謎の空き家があります。と言っても人が死んだとかのいわくがあるとか、そこだけ暗いとかいうのではなく、決して大きくはないけど洒落た外観で日当たりも良さそうな一戸建て。強いて言えば、車通りの激しい大きな川の土手を兼ねた県道と、そばに広がる田んぼとの境界に立地していて、こんなとこに家を建てるかな?的な場所ではあります。記憶をたどると建ったのはここ20年くらい、建物の造りも最近のものですが、人が住んでいるのを見た記憶はありません。果たして人が住んだことすらないのでは、と思えるように綺麗なんです。ただ勿体ないことに手入れはされておらず、一部の窓ガラスはやっぱ割れ、庭も荒れ放題。マイホームなど夢の私ら一家からしたら、50万円くらいで譲ってもらえないかしらなどと本気で思っているくらいの物件です。でももしかしたら何かいわくがあり、手を出さない方が賢明なのかもしれませんね。今でもたまの散歩でそばを通りますが、見るにつけ勿体ない気持ちになってしまいます。

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