。各部屋は開け広げ、現象が頻発する階段、洗面所などに服やカバンといった私物をそこかしこに置き、リビングや台所は常に音楽をかけるように、家全体を賑やかにするよう心がけた。
ラップ音のような、びっくりする音はすぐに止んだ。
足音や気配はしばらく続いたが、これも友人の勧めで、家にいる際はすべての外窓を開け広げ、網戸だけ閉めた状態にすると止むようになった。
家の現象が落ち着き始めると、留守を友人に託し、私は幼なじみの家に1カ月寝泊まりすることに。当初、67キロだった私の体重は55キロまで減少していた。私自身、憑かれていたような状態だったそうだ。
今日までこの出来事は思い出さないようにして生きてきたが、ふと記録として残したくなったので投稿することにした。ほかにも忌々しい体験はあるが、今はまだ書く気にならないのでここではふれない。
後日、人にこの話をすると「そんな体験したならオカルトを信じるようになった?」とよく聞かれる。
答えは「否」。この世のものだと認めちゃうと、あの闇に飲み込まれそうだから。
あの頃はずっと、「絵本の中の絵と同じ。そこにあるけど存在しない(キューブリックの映画シャイニングのセリフ)」と反すうして距離をとり、理性を保とうとしていた。
でも、洗面所の鏡に映った、スカートをはいたあの幼子の後ろ姿だけは今でも忘れられない。

この怖い話はどうでしたか?

コメント(6)

ハァ。すみません。自分は、内容を理解していないようでございます!

似た体験をされた方がいらっしゃるとは。心中お察しいたします。私はあの事件以降、なぜかは不明ですが極度の怖がりになりました。

最後に残してく書き方怖い...

読ませて頂いてビックリしました。同じ境遇、同じ様な体験をされた方がおられたとは(^^;これまた不思議です。

ご返答ありがとうございます^^私も14歳の時でしたね(^^;両親が一戸建てを新築して母が亡くなり、その後慣れない家事等苦労しました。ほとんど家に居ない父や姉に怪奇な事が起きてる話をしても、夢だの何だのと当時は信じてもらえなかったです。何物かに首も絞められ朝にはアザになる程の恐怖にも耐えましたが…………極度の恐がりになられたのですね(>_<)

友達に恵まれて羨ましい限りです。よく耐え抜きましたね。凄い人です(^-^)

Siekさんの投稿

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