住み始めて間もなく
日常とは違うニオイがした

高貴な霊から漂う柑橘系の崇高な匂い
魅惑的な匂いを装い
「そのもの」は
私に近づいて、来た
途端に異臭にかわり、嘔吐しそうになる
事故物件、曰く付き物件は身体に霊障が起き直ぐに見分けがつく
…なのに…「そのもの」は私を騙すことに成功したのだから

陽当たりの良い新築分譲マンション
ここに決めたいと申し出た以上
主人には言い出せなかった

主人が長期出張に出た夜
バルコニーから玄関に向かって
托鉢僧の太鼓の音が堂々と、我が物顔で
目の前を通り過ぎる
影、影、影…
それを追いかけるように緋色の光
途端に異臭が漂う
血や腸の臭いが尾を引いて影と共に流れていく
邪の臭い

身体じゅうに異臭が煙のように纏わりつき
シャワーを浴びようと浴室に入った
真夏なのに、足元から冷気が体中を突き抜ける
ウヴァ…声にならない声を上げると
バスタオルを巻いて飛び出した
真新しい石鹸が、まるで動物に齧られたように
歯型をクッキリ残して半分になっている
「そのもの」が少しずつ姿を表し始めた

夜半、眠りから揺さぶられた、人の力とは思えない圧力が覆いかぶさる
金縛りとは違う
重力で押さえつけられている苦しさに、目覚めた
時々、高貴な柑橘系のニオイの仮面を被り
邪の臭いを消すように忍び寄る
力を振り絞り体を起こせば
瞬く間にベットに引っ張り戻される
まるで遠心分離機の中に放り込まれたように
身体じゅうの自由が利かない
ー神様、助けて…ー
声を限りに叫ぶと
「そのもの」は、足元から頭にひゅゆ~と
強い力で身体じゅうを通り抜けた


そのころ、信頼する霊能者の先生がH県におられた
詳しい事情を話すまでもなく状況が伝わり
御札を送ってくださることになった
…できるなら、転居しなさい…この戦いは長くなる…
電話でそう告げられた




後日談
私はこのマンションに数年住んだ
住んでいた階層が霊道だという
同じ階に住む住民の半分は、その時点で離婚や病気、
失業、幸せではない選択を迫られた
また急死した人までいた
私は先生からの御札の御蔭もあり戦ったつもりでいた
不思議なことに、其処では、お金には不自由をしたことがなく
また、人生は思いがけない方向に舵を切り始めた
きっと、「そのもの」の目算に組み込まれたのだろう

そして、人間でないものが、人間に好意を抱くことがあるのだと…
知らされた

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コメント(8)

ポルタ―ガイストみたい(/_;)恐っ

頑張り過ぎて、カッコ悪い文書

『新築』の分譲マンションなのに事故物件?曰く付き物件???(笑)

普通に恐い話を楽しんでます! かっこ悪い文章❓って何でしょうか?

新築マンションでも霊道はあるみたい  

幽霊に恋された?ということですか? その後を知りたい!

↓おめぇさん、仁義と言うものをご存じかい 言霊は、恐ろしいものぜっせ↓

↓へーさん、 事故物件や曰く付きは霊感があって分かるという 意味でしょう、新築が事故物件とは違う意味だと解釈しましたよ

さらさんの投稿

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