アンティーク(骨董)については皆様どのようなイメージをお持ちでしょうか?
この話は、20年ほど過去に体験した実話

 コレクターの友人に連れていかれたショップは
輸入家具や人形が所狭しとレイアウトされた過去世の空間
低いボリュームで流れるフレンチBGMが、過ぎた時間を巻き戻していく
友人が目を付けているロッキングチェアは
孤独なオーラーを放ち、使い古されたオーク―の色合いがなんとも言えない光沢を魅せていた
彼女は、何度も背もたれを撫ぜた
~ァ…レ…ドォォ…~
同じ言葉が流れるBGMも空気に溶け込む

ー見られている―
その瞬間、背中のあたりに視線を感じた

見渡すとレジに年老いたオーナー
他には誰もいない

アンティークからは時代を凌駕した霊が寄ってくることを経験している
袖を掴まれたり、足首に絡まれたりの過去を思い出し
警戒しながら、振り返った

背後にあるサイドボード
アンティークドールと目が合った
金髪の巻き毛
朱色のドレス
視線…
凝視…ァ…レドゥ…
ブルーグリーンの目に捕えらえた
瞬間、背中をバッドで殴られた強烈な痛みが放射線状に走る

ー痛いー
大きな声を出してうずくまった

神経を一撃されたようで、体中が動かなくなったのだから
ーだいじょうぶ!!-
驚いた友人の声に引き寄せられたオーナーは
青い顔をして咄嗟に私の背中を摩る
(オーナーが背中を摩るなんてただ事ではないと感じていた)
左の肩甲骨のあたりが…殴打されたようにズキズキ傷んだ
…霊障…だ
三次元ではない痛み
鉛のような重い大きな力
肩にずっしり覆いかぶさってくる
急激に、突然、物凄い力に制され
呪縛にガンジガラメにされ、身動きができないのだから

オーナーの上品な女性は、震えながら人形に手を伸ばし
人形が纏っている赤いベルベットの服をゆっくり脱がせた
そして、くるりと背なかを見せたのだから

ちょうど、私が痛みを感じた左肩の下あたりに
蜘蛛の巣のようにテープが貼られている
痛々しい背中から、今にも血が滴り落ちそうに見えた

ーフランスの骨董市で見かけたこの子は
左の背中が割れて、大きな穴がありました、でも…顔が可愛いし…頭を撫ぜていると
売主が、持っていっていいよなんて言うものだから…
可哀想になり、私がテープで修理したのです、やはり…魂は宿っているのですね…ー

そんな言葉を背後で聞きながら
このアンティークドールが私の処に来たいという念

この怖い話はどうでしたか?

コメント(6)

痛みが、同じ場所に伝わる怖さはぞ~とします

人形って怖いですよね。 物には魂が宿るわけですから、人型のものには特に。 だから私は人形が苦手です。

フランスから流れてきた人形の秘められた過去 怖い

匿名さま、コメントありがとうございます このアンティークドールはかなり古いものです 人形が受けた痛みを伝えてくる霊現象は、怖かったです

紳士さま、人形は魂が籠りやすいですものね… 人形は可愛い反面、怖いですよね。コメントありがとうございます!

人形にまつわる怖い話はよくあるが、この話は怖い!ぞくっ、とする

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