殆どの人は経験することがない
「ひとり弔い」
たった一人で看取り葬儀をし荼毘にふす
寂しくて切ない…

事情があり身寄りのない伯母を一人で送った
あまりに不憫で
あまりにも悲しい
だから、斎場の小さな部屋を借り
枕経もない形だけの通夜をし
写真のない祭壇を用意し
少しのお供えと花を手向けた

一人の葬儀ですか?
それは、疲れますよ
大変ですね
親戚の方、いないのですか?
葬儀社の方は心配顔で尋ねてくる
ええ、事情があり…私一人です

ぼんやり祭壇を見つめていると
見知らぬ男性が襖をあけて入ってきた
和室の隅に座り
祭壇に向けて一礼し、目を瞑る
失礼ですが…問いかけようとすると
いつの間にか
姿がなかった
暫くすると
再び中年の女性が静かに座っている
写真のない祭壇に向かって手を合わせた


葬儀社の方が不憫に感じて
弔いに来られたのだと思い込んでいた
でも、服装に違和感があった
まだ肌寒い三月初旬に
真夏のような薄い半袖シャツを着た男性
女性は時代遅れの緑のワンピース姿

ひとりで弔う時には、必ず
ひとり弔いをされた霊がやってくるのだと
聞いたことを思い出す
伯母さん、一人じゃない
良かったね
そういうと祭壇の蝋燭が天井近くまで一気に立ち上った

この怖い話はどうでしたか?

コメント(4)

匿名様 親が死んでも遺骨さえ取りに来ない人もいる現実 形だけでも人並みに通夜、葬儀をしてあげたいと、伯母を送った時の 忘れられない体験です コメントありがとうございます!

わが身に起こるかもしれない切ないお話です 縁が薄い家系なもんで・・

菜々氏さま、家族形態が変わりゆく現在で見直したい 事象ですよね、コメントありがとうございます!

伯母様は、さらさんに凄く感謝してると思います。普通の人には、見えないだけで実際はこんな事が、日常にあるのかもしれないですね。

さらさんの投稿

話題のキーワード

サクっと読める短編の怖い話

人気の怖い話をもっと見る
怖い話 怖い話アプリをダウンロード 怖い話アプリをダウンロード