幼いころの記憶が鮮明にある
3~4歳ころ
親戚中が家に集まる大きな法事
幼い私には退屈な時間でしかなかった
読経がはじまると
玄関先の和室に人形を持ち込み一人遊び

すーっと玄関の戸が開くと
見慣れないお爺さんが顔をにゅーと覗かせた
「あ、お客さん」
誰かを呼びに行こうとすると
お爺さんが手招きをする
降りていくとお爺さんは私の頭を撫ぜて微笑んでみせた
大きな手でその感触ははっきり残っている
庭石の上を泳ぐように移動し門柱の外にでたお爺さん
黒いマント姿で黒い山高帽子を被り優しい眼差しを向けていた
慌てて祖母を呼びに入ると
僧侶の読経はより大きく力を込めて響き幼い私の声はかき消されそうになった
「お客さん」
それでも祖母の耳元で強引に告げた
祖母と母が慌てて玄関で確認したものの
開かれた引き戸の向こうには誰もいなかった
「帰りはったのかな」
そういう私を祖母と母は勘違いねと一笑に付した

門柱は内側から頑丈な鉄棒が横に刺さり
幼少の私は背伸びをしても届かない
まして外側からそれを開けて入ってくることなど不可能なのだ
父が「幽霊なら別だけど…なあ」と笑った
法事の主役の祖父の遺影を見ながら
「似ている…」心で何度も呟いていた 

 

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コメント(4)

とくさん、コメントありがとうございます。 嬉しいです~

幼少の頃の体験から30年以上。現在、30代後半か、40代前半ということになります。しかし、あなたは32年前の日航機123便の事故の時、すでに結婚していたはずですが??? 30年前、あなたは幼少の子どもだったのですか?それとも夫のいる大人だったのですか? 詰めが甘いな。

独特な感じでとても好きです。またお願いします!(フォロー機能またはファン機能欲しいですね^^)

霊には時系列が存在しないと思い込んでいる私は詰めが甘いのでしょうか(笑) 現実の世界では50代です(笑)女性ですから、ついついサバをよんでしまう癖があります 法事の摩訶不思議は50年以上前のお話です。お許しください

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