女に向き直る。

返事はなかった。

彼女は明後日の方向、虚空をぼんやりと見上げながらヨタヨタとビルの中へ歩いて行った。

あれ、、、、?何処行くんだろ。

私はかなり不審に思いつつも、仕事ももう殆ど終わっているし、おばちゃんも疲れているのかなと勝手に納得をした。
ビルの一部は補修工事を行っていて、カンカンカンカン、、、、というけたたましい音が響いていた。

残りの仕事を直ぐに終わらせて、少し早い退社をし、ゆっくりと帰路を歩く。
携帯のバイブに気付く。
電話に出ると、本社の人からだった。

「今日君と一緒にシフトに入っていた伊藤さんなんだけど、連絡つかなくてね。
いつもは電話に出ない事がないから、何かあったのかと思ってね。
それと明日伊藤さんの代わりにシフトに入れないかな?」

やはり最後のおばちゃんとのやり取りが気掛かりでならなかったが、何ら確証を得る考えには至っていなかった。

「私にはわからないですね。
明日はシフトには出れます。
現場はいつものところで大丈夫ですね?
はい、はい、宜しくお願いします。」

明日は予定が無かったため、仕事を入れる事にした。
何より伊藤さんの代わりという事で、快く依頼を引き受け電話を切った。

自宅に着きシャワーを浴びながら考えていた。
もしかして、、、、
おばちゃんの例の話は本当に起こっていたのではないだろいか。
ずっと気になって居るのは、数字の認識が10に達した時に何かが起こるということ。
そして、おばさんが言いかけた助かる方法。
頭の中は疑問符で一杯だったが、何かヒントや法則が存在しているような気がしていた。

「、、、ポン、ピンポーン、、」

浴室から微かにインターフォンの音が聞こえる。
郵便かな?と思い、急いで着替えて玄関に出る。
その間インターフォンは浴室から聴こえたのを含めて5回鳴っていた。
今迄こんなにしつこくインターフォンを何回も押す来訪者はいなかった。
ドアを開けると、やはり郵便だった。
実家から果物が届いた。

実家へ電話をしたり、適当に夕食を済ませたりしていると、いつの間にか夜も深い時間になってしまった。
明日も早いため、そそくさと床に就き眠る事にした。


眠れない、、、、

その原因は、夏の暑さと昼間聞いた怪談話だった。
エアコンをかけた寝室で毛布に包まる。

ふと気になって仕方なくなり、おばちゃんへ連絡をする衝動に駆られた。
こんな時間だし、大丈夫

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コメント(4)

へぇ〜すごいねw 場所だしなよ。

中々面白かったよ成程ねー

数字を先に言えば助かるということですか?

賢いですね面白かったです

viiingさんの投稿

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