うちにはぬいぐるみが沢山ある。
ただ、昔ずっといっしょにいたぬいぐるみは怖いけど捨てられない。

ずっと一緒だったから、いなくなると悲しいんだと思う。

ダンボールに入れて長い間放置していたけど、ある日、おかしな事が起こった。

「カタン…!」

という音と共に、タンスが開いた音がする。「スー…」って。

でも怖くない。慣れているし。
この家は家事があった家で、うちらが引っ越す前に建て替えられていた。

だから幽霊を見たり、金縛りになるなんてことは何度かあったし、家族全員幽霊がいると確信している。

これも多分そうだ。
また幽霊みたいなのがそこにいるんだ。

そんな感じ。
特に震えるとか汗がー!とかはない。

でも特になんも起きなかったから、なんとなく隣を見ると、そこにはしまいこんでいたはずのぬいぐるみが寝ていた。

目は取れかけていて、汚い。
不気味というか、気持ち悪い。

なんとかぬいぐるみを元に戻したけど、もう怖くて寝返りなんかうてない。
しかもなんか髪が引っ張られてるような気持ち悪い感覚がするし。

目をギュッと瞑ると同時に、弟が悲鳴をあげた。
父は出張かなんかでいなかったけど、悲鳴を驚いた母とうちが弟の部屋に駆けつけた。

弟は真っ白な顔をして過呼吸に。
そして必死に壁(?)を指差している。

「なに?どうしたの!?」と母が声をかけるが、「んー!んー!」としか言わない。

私が弟の指差す方を見た。
するとそこにはぬいぐるみがいる。

無表情に近い顔のぬいぐるみだったはずが、壁にいるソレはそうじゃない。

可愛らしい顔は崩壊し、とにかくやばい。
口はぐにゃっと曲がり、片方は裂けている。
目のボタンは外れ、鼻は潰れて。

そしてソレは「イヒヒヒヒヒ!!!」と笑って狂ったように壁にドンドンと自分を自分でぶつけ、ずっとずっと笑っている。

「い…いやぁ!!!」
母は悲鳴をあげ、弟に抱きついている。

うちはおかしすぎるこの空間に、
言葉が出なかった。

金縛りではないけれど、動けなかった。









そして。
うちは気絶したのか、弟の部屋で倒れていた。
カーテンが揺れ、太陽が見える。


「あれ。もう朝なの…?」






そしてうちらは引っ越した。
もうあの家にはもう、近づかない。
ぬいぐるみは燃やし、捨てた。

でも、まだ怖い。









あのぬいぐるみがまた戻ってくる気がして。

この怖い話はどうでしたか?

コメント(4)

みあこさん、素直に作った話と言うところがグッド!頑張れ!

本当にあった怖い話なんですか?

私ぬいぐるみ大好き

いや、作った話です。 でも、捨てたはずのぬいぐるみが机の上にあったって話はあります(*´-`)

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