これは祖母が亡くなった時、両親から聞かされた話です。

以前、家の近所に祖母より一回りほど若い
A夫妻が住んでいたそうです。
A夫妻には兄(私より2つ上)と同じ年の女の子が
居たそうです。
A夫妻は なかなか子宝に恵まれず、諦めかけた時に
やっと授かった女の子だったそうです。
しかし、その女の子は小学校に上がる前に交通事故で
亡くなったそうで…

奥さんは自分を責め毎日毎日 泣いていたそうです。
みるみると痩せ衰え近所の人達も何と声をかけて
いいのやら… 見るに忍びない状態だったそうです。
結局、A夫妻は離婚して奥さんの姿を見る事は
無くなったと言います。
その後、Aさんは仕事もせず酒浸りの生活を
送っていたそうです。
そして ある日、道端で息絶えているのを発見
されたのだとか。

そんな謂れのある家だったので暫くは
空き家だったらしいです。



これは私が幼稚園の年長の時の話です。
いつもは母に起こされて起きるのですが、
その日、私を起こそうと母が部屋の前まで
くると、私の話し声が聴こえてきたそうです。
母は てっきり、私が寝言を言っているのだと
思ったそうです。
でも、中を覗くと私は上半身を起こし
一点を見つめ何やら話していたそうで、
咄嗟に普通じゃないと思ったそうです。
恐る恐る近づいてみると私は

「我が娘~~ぇ我が娘~」と妙な節回しで
呟いていたそうです。

母は驚いて父と祖母を呼びに行ったそうです。
父も祖母も私の様子を見るなり愕然と
したそうで…

何故なら、私が妙な節回しで呟いていた言葉は
Aさんの口癖だったらしいのです。
Aさんは酒に酔うと

「我が娘~~ぇ我が娘~可愛い可愛い我が娘~」と
メロディー付きで口ずさんでいたんだそうです。

明らかに可笑しい私の姿を見た祖母は
スグに空き家となっているAさん宅に行き
人目も はばからず大声で叫んだそうです。

「こら、シゲオ(仮名)!あんた、こんな事したらいかんよ!」
「成仏出来んかったら〇〇ちゃんともずーっと会えんよ!」
「**(私)はウチの孫だからね!あんたの娘と違うからね!」

というような事を叫んだそうです。
そして、そのまま何処かへ出掛けて行き
お昼近くになって、祖母は一人の女性を連れて
帰ってきたそうです。
父は母と私を残して行くのが心配で その日は
仕事を休んだそうです。

その女性は祖母の知り合いで、何やら施して
帰っていったそうで

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コメント(6)

お婆ちゃん作者さんの事大事にしてるなあ。

おばあちゃんカッコいいですね

怖いけど、悲しいお話ですね。 作者さんを自分の娘と間違えたのでしょうか?それとも、分かっていて、道ずれ(?)にしようとしたんですかね?

ブルーさん、なんとも やり切れない話です…記憶に無い事が幸いなのかもしれません。

たまさん、祖母には本当に感謝です。祖母の行いがなければ、どうなっていたのか…

可哀想な話ですね

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