此れは東北地方を襲った震災の2週間前に亡くなった母方の祖父のお葬式での話です。
祖父は亡くなる約1年前に家で1人の時に脳梗塞で倒れ、母親の家に泊まりに来ていた祖母と母親が虫の知らせを受けて何か胸騒ぎを覚え急いで祖父の元に向かい奇跡的に一命を取り留めた事から始まります。
その後祖父は半身不随と子供も認識出来ない程の痴呆症になりました。
病院や介護施設での生活を送る祖父を私達親子も暇さえあればお見舞いに行くのですが、倒れる前にとても可愛がっていた私の次女以外全く認識出来ずにただ虚しい日々が過ぎました。
母親は長女、次女である母親、三女、長男、次男という構成の5人兄妹で長男以外は時間を見つけてはお見舞いに行ってましたが、結局祖父は誰を認識する事無く亡くなりました。
そしてお別れのお葬式の時でした。お坊さんがお経をあげる間お焼香ではなく人の間を動く影に気づく次女が「パパ、爺ちゃんが居るよ?」と小声で話しかけてきました。1番の理解者だった祖父の死に俯いていた私が顔を上げると確かに祖父が1人1人の目の前に立ち、微笑んだり悲しそうな顔をしながら回っています。
私達の前に来た時は満面の笑みを浮かべ頷き別れを惜しむかの様に見えました。
そして最後に自分の子供達でもある母親達が並ぶ列に行くと、最も身の回りの世話をした私の母親には肩に手を伸ばしお辞儀をする動きをしています。
そして長男の前に立った祖父は鬼の様な形相で長男を睨みつけてお経が終わるまで其処を動く事はありませんでした。
其れを見た次女は「なんで爺ちゃんあんなに怒ってるの?」「おじちゃん何かしたの?」と私に聞いてきます…
爺ちゃん…長男がお見舞い来なかったの分かってたんだな…そう私は思いました。
その後バタバタとして火葬場まで母親と話せなかったので到着後落ち着いた母親に葬儀場での話をすると、「やっぱり気づいた?」と母親「やっぱり怒ってたんだよね〜(笑)」「全く親不孝な長男だ事(笑)」と私達親子には言ってました。
皆さん、亡くなった親に怒られない為に少しでも親孝行してくださいませ。
因みに祖父の死後毎年お盆の時期には次女に会いに来る祖父が愛らしいです。

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