だから、もし近所の人にも迷惑がかかったら申し訳ない。

俺と父さんは引越しの準備、そもそも家には必要最小限のものしかなかったけど、ちょくちょく進めた。

そして引越しを次の週に控えた木曜日の夜、俺と父さんは近所の銭湯に行った。

暖かかった。そしてすこしだけ嬉しかった。父さんも久しぶりに笑った。

ふたりで一緒に帰っている途中、サイレンの音が自宅方向から聞こえてきた。

自宅が炎上していた。

俺は何も言えなかった。

父さんも放心状態だった。

燃える我が家を見つめ、あ……家が……あ……と呟いていた。

父さんの目にごうごうとした炎が写っていたんだよ。

放火だった。燃えカスの中に、建材に灯油かなんかを浸したもの、というのが見つかったらしい。

犯人は捕まらなかった。

近所の家にも被害が出た。父さんは土下座をしていた。

でも被害が出た家のおばさんは、俺のことをギュッと抱きしめて泣いてくれたんだよ。

俺達は引っ越した。

引っ越した先で父はおかしくなってしまった。

自宅で仕事をしていると、まだ元気だったころの母さんと姉ちゃん、弟がふつうに部屋にいるらしい。

そして昔のように「お父さん、またオナラしたでしょ~」とか

「ねえねえ、来週鴨川シーワールド行きたいね」とか、話しかけてくるみたいだった。

俺も実はちょくちょく見ていた。

見ていたけど、これは幻覚だ幻覚だ……と思い込むようにし、徹底的に無視していた。

でもある時、俺と父さんと二人で晩飯を食っている時に、台所から

「あ、醤油切れちゃった」という母さんの声を聞いてしまった。

父と目があった。

聞いたようだった。

父さんは「はっはっは!はっはっはっは!母さん!今買ってくるわ!」と言って、一瞬真顔になり、俺の首を締めた。

すぐ正気に戻り、「ああ!ああ!俺はなんてことを!」そう言ってベランダに向かい、そのまま飛び降りたんだ。

こうして父も死んだ。俺が残った。

俺は父さんの兄に引き取られて、高校を卒業し、都内に就職して一人暮らしを始めた。

それから結構な年月経ってしまった。

俺は今年三十二歳。

結婚もせずにまだ一人でいる。俺の部屋にはたびたび家族がいる。

なつかしい昔の姿で、生活している。

悲しいのは、みんな当時の年齢そのままなんだ。

病院も行った。精神的に不安定と言われた。

薬も貰ったが姉の自殺した時の光景が忘れられなくてあま

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コメント(10)

邪教BBAは無間地獄行き決定だな

ババアうぜえ

勧誘したババアが メチャクチャむかつく…

何処かで読んだことあります 幽霊とかより怖い話しだと思う

辛い...大変だっただろうね..お祓いに行くべき。

こわいよ、、

あまりにも重い・・ こんな一家は存在しなかったと思いたい

間違えて怖いをおしてもた

宗教団体の勧誘は、とにかくウザイ!断り続けると逆ギレするし

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