、」

先輩「あーそうなんだよ。昔は、内科…?だっけな。ここも病棟で、ほらあそこがナースセンターだったんだよ。」


廊下を見ると、確かにナースセンター特有のカウンターで仕切られた一角があります。
そこにも段ボールが積み上げられていました。


先輩「私が入社した時からさ、ここだけ病棟じゃなくて事務員のフロアなんだよね、だから蛍光灯とかないの。昼間なのに暗くって笑」


普段事務員しか使わないので、節電も兼ねてでしょう。電気はついていません。
薄暗い倉庫と廊下がなんとも言えず、気味悪いと感じていました。

無事に紙を見つけ、もといた部屋に戻りまた、作業を続けました。


単純作業ばかりしているとどうしても眠くなってきてしまいます。
柔らかな光が差し込むその部屋は私の睡魔を駆り立て、うつらうつらし始めてしまい、いつの間にか
さっきまで気にしていたあの廊下のことなど忘れ去っていました。

私が水に浮かんだコルク状態であることに気付いた先輩は笑いながら

先輩「また、紙が少なくなってきたからさっきの場所にわかるように置いておいたしとってきてくれる?体動かしてリフレッシュしてきな!笑」

と言われ、眠そうにしているのを見られて恥ずかしさが込み上げ、「じゃあ…」と部屋を後にし、1人で先程の部屋に向かいました。


いざ扉の前に来るとやっぱりいい気はしません。何だかさっきよりも空気が重い。そんな感じがしました。

早く見つけて部屋に戻ろう!そう勇気を奮い立たせて、扉を開けました。

6月の初め頃だったので、部屋はむしっとしていました。
古い埃のにおい、紙のにおい、いろいろなにおいがします。アレルギー体質のためポケットからハンカチを取り出し口にくわえて埃を吸わないよう注意して探しました。
入ってすぐ手前の一角にカルテがいくつか置いてありました。
先程の先輩が整えてくださったようで探していた紙はすぐに見つかり、ハンカチをくわえたまま何束か手に取って立ち上がった時、どこからか視線を感じました。


………なんだろう?

言葉ではうまく表現できませんが、その部屋にあるものがすべて私の方を見ている。1つの視線ではなく、多方面から視線を感じるのです。
ここには「物」しかないのに。。。

手にじんわりと汗をかき始めました。

嫌な感覚……。そう思って部屋を出ようと体の向きをかえたとき、先程の左奥の箇所が視界に入りました。
先程と同様、きっ

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コメント(1)

悪い幽霊さんではないのかな?

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