と、休憩所と自販機コーナーの間にあるドアが開きAとCが入ってきた。そして俺たちと女の子を見てCが
「お前らなにナンパしてんだよ…」
とあきれたように言うと、
「そんな事よりちょっとこっち来てくれ、なんか変なのがあるんだが」
と、結構真顔で言ってきた。
Aもふざけている様子もなく、俺とBが変なのってなんだよ?と聞くと、上手く説明できないからとりあえず自販機コーナーに来てくれという。
こっちも変なこと山盛りだった俺たちは、AとCにこっちもなんか変な事だらけだと話しながら、女の子たちも連れて自販機コーナーへ行く事にした。
自販機コーナーに入ると、Aがこれを見てくれ、とカップでコーヒーなどを売っている自販機を指差した。
その自販機、パッと見はよくドライブインとかにあるような、液晶画面が付いていて、そこで商品の紹介やCMなどを流す普通の自販機にみえるのだが、普通の自販機とは明らかに違う部分が1つある。
液晶画面のところに、明らかに映像ではないどう見ても生身の口があり、それが「いらいっしゃいませ」とか“喋って”いる。Cが
「な、変だろ?最初俺たち人が入っているのかと思ってさ、声かけたり自販機を叩いたりしたんだけど、何の反応もないんだよ」
という、「それに」と付け足して
「この口の周り、唇から外はどう見ても普通の液晶画面に見えね?どうなってるんだろこれ」
と言ってきた。
明らかにこのドライブインは何かがおかしい、現実離れしているというかなんというか…
とりあえずAとCにこちらの事情を全て話して、いったん外に出ようと話していると、休憩室のほうを見ていた女の子が
「ちょっとちょっと!あれ!」
とかなり動揺した声で、俺の肩をゆすりながら休憩室の方を指差した。指差した方を見て俺も含め全員絶句してしまった。
さっきプリクラの所にいた女の人が出てきてこちらに向かって歩いてきているのだが、その女の人『上半身がない』のだ。
厳密には下半身から上の部分が漏斗(じょうご)を逆さにしたように収束していて上半身というかなんというか、その部分は棒ともヒモともつかないものが真っ直ぐ上へ伸びている、それが歩くたびにユラユラと揺れながらこちらへと向かってくる。
姿からしてどう見ても人間ではない。俺たちはその異様な姿に完全に思考が停止してしまい、パニックになって全員外へと逃げ出した。
そして外へ出て振り返ると、その
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コメント(25)
キンキンみたいだな
キンキン
なんだか神隠し臭い話だな
とー
ほんとにあった?だとしたら…いいね(≧∇≦)b
俺
自分の体験談ではない。けれども、本文中ではその事には触れてないのですね。 話としては面白いですが、異世界譚ですかね。コメントした人に何か返答して いただけたらありがたいのに………。
じゅんのすけ
ヒッチハイクを彷彿させる怖さ!かなり好き!
びびり
悪意があったというより、女の子達は当時プレハブに逃げちゃったんだろうな
マンティコア
プレハブ小屋に彼女達がいたのでは?
たま
おもしろかったです。
りょーた
これ、本当に本当にあった話だったとしたらものすごく面白い。 ぜひとも同じ目に遭ってみたい。 でもまぁまずフィクションですよね。
サモエド