目を疑った。

私は誘拐されていた。が、誘拐したと思われる犯人は不可解な死に方をしていた。
自殺とも事故とも殺人ともとれる死に方だった。
私はその死体の横に座っていた。警官が何を聞いても答えずに。

母親と父親が警察署に駆けつけても表情も変えず何も語らずただ、ずっと一点を見つめていた。
そんな私を両親は精神科に連れていき、医師にあった事を伝えた。
医師は東京の病院を紹介し、私は東京の精神病院に入院する事となった。
だが、回復する兆しもなく両親が途方に暮れていると、医師からある提案をされる。
催眠療法だった。

全てを忘れる為の催眠療法。
しかし、時間がかかると言われた。

催眠療法が始まり、私は産まれた時からの記憶が徐々になくなった。
それを見ていられなくなったのか母親は父親に離婚を告げた。

そうして、治療が終わったのが中学校に入る少し前だった。

それを話し終わった母親は震えていた。いや、私と車に乗った時から震えていたと思う。

私は家に帰って改めて父親に感謝した。
そんな父親に恩返ししようと、高校へは行かず、働いた。
私が20歳頃、ある男性が告白してきた。同じ会社の先輩だった。
最初は断っていた。
父親にも相談したが、父親は付き合いなと言っていた。
何度も諦めずに告白してくれていたので、とりあえず食事でもという事になった。
何度かそうしているうちに自然と付き合うようになり、結婚の話になった。
幼い頃の記憶がない私が果たして母親になれるか不安だったが、押し切られるように結婚した。

そして、男の子を産み、続いて女の子を産んだ。

そんな頃、父親は病の為亡くなった。

悲しみにくれながらも子供達の相手をしていた時、
娘の傍らに立つ若い男性がいた。
懐かしいような怖いような...
旦那に相談しても取り合ってくれない。
だが、その男性はどんどん娘に近づいている。

私は母親に連絡をとった。
すると、何か心当たりがあるのか、すぐに荷物をまとめてうちに来いと言われ、すぐにそうした。

旦那から「もうお前の妄想には付き合えない」と、離婚を切り出された。

正式に離婚して母親の元でお世話になった。

母親の知り合いに住職さんがいて相談にのってもらい、娘に近づいていた男性は消えた。

息子が15歳になった年に母親は末期の癌に侵され余命半年と言われた。
私は母親の元へ通った。
しかし、余命より2ヶ月早く危篤状態になった。
母親

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コメント(5)

芽田理香(26)OL、最近の悩みはくるぶしがガサガサしている事。休日の過ごし方はもっぱらドン・キホーテで外国産のビールを眺める事。ストレスの解消法はキュウリをひたすらにスライスする事。なおウリ科アレルギー。シジミの味噌汁が嫌い。おでんにカラシが付いてないと露骨に嫌な顔をする。小学校の時のあだ名は「ラクダの孫」。

催眠療法で何がわかったのかが気になります。

メタリカ

投稿者は恐らくスタンド使いなのでは?または人をどうにかできるほどのサイコキネシスを使えたのか。いったいどんなスタンドが発動したのか気になります。

続きよろしく!

匿名さんの投稿

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