884 :733 5-1:04/11/29 20:11:26 ID:v6kaMasJ
小屋が無くなってから数日後、Jの友人(A)と共通の友人(B)とで集まった時に、
Bが「Cから聞いたんじゃが、なんでも夜中に、鬼婆の霊がCの家の戸を叩きよるらしいで」と話した。

家に帰り、その事を父に伝えると、
「人は死んだら戻って来るでな。なーに、49日が過ぎれば無事成仏するで、気にする事ぁねえ」
「でも、なしてCの家に戻るのね?自分の家に戻りゃあええのに」
「梅さんは少し変わっていたでな。帰る家を間違がえてるだけだで」とアッサリ言ったので、
Jは「なんだ、あたりまえの事なのか」と思った。

ところがそうでは無かった。
どうもCの親が、くじ引きか何かで梅がいた小屋を燃やす役目になってしまい、
それが梅の恨みを買ってしまったらしいのだ。
それは近所の大人達が、
「Cの家に、またイブシがやって来しゃったらしい」
「小屋を燃やしたもんで、怨みを買うたんじゃろ」
と話をしていたのを聞いたからだ。

このイブシ?(聞いた事のない言葉だったので忘れてしまったらしい)という言葉は、
この村だけのいわゆる『隠語』というやつで、恐らく『幽霊』の意味ではないかとじっちゃんは言った。
大人達は、「梅の霊の事は村民以外には話すな。話すと霊がその人の前にやって来る」と言うので、
それを恐れた子供達は、誰1人として話さなかった。
また、大人達は隠語を使う事により、うっかり他の場所で喋っても、村の恥部が他人に漏れずに済む。
とにかくそこの村民は、自分の村を守る事に必死だったらしい。


885 :5-2:04/11/29 20:12:21 ID:v6kaMasJ
夜な夜なやってくる梅の霊に、Cの家族は疲れてしまったのか、
「わしらも子も眠れんで困っとる。家を出るしか無かろうか?」と、Jの家に相談にやって来た。
Jの父は、
「しばらく家を捨てるしかあるまい。
 最悪、あの家は一度ばらしなすって、作り直しゃあええ。
 その間は家に住みなっせい」
こうしてCの家族は、Jの家に同居する事に。

さっそく自分の部屋で、JはCにこう聞いた。
「なぁなぁ、Cは鬼婆のお化けを見たんか?」
「見とらん。ただ、家のドアを叩く音が毎晩するんじゃ」
「風とかじゃ無かろうか?」
「知らん。
 最近は耳に布切れ押し込んで寝てまうで、音は聞こえんが、
 一晩中電気がつけっぱ

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