のですが、
その隣にはお墓があるために日が暮れてからトイレに行くのは少し勇気がいることなんです。

そのうえ、その頃には上の家も下の家も無人になっており、外灯もほとんどなく
明かりといえば山の切れ目から見える満天の星空だけなのですが、
生憎の曇り空で辺りは闇に包まれていました。

ちょうど1缶目を飲み終えた時、村山が小便に行くといい、靴をはき、出ていきました。

と同時に駆け込んでくるやいなや、バシンと、扉を閉め、心張り棒までかけてしまったのです。

あまりの彼の激しい行為に、こちらも不安になりなりました。

肩で息をついている彼をなんとかなだめ「なんかあったん?」と聞くと、彼は青ざめた顔で

「そっ、そこの・・・電柱の・・・所に人が・・立ってた」

と、歯をガタガタさせながら言うんです。

もちろんこの場所ではこの時間に人がいることはいささか奇妙ではありますが、

「あれは絶対幽霊やとおもう・・・なんかボーッと光ってて、輪郭がはっきりしてへんかったんや」

という彼の言葉に恐怖を感じ、誰も確認にはいけなかったんです。

「ほら、なんかの宗教か何かで、白い服着て、ほら貝持ってる奴らおったやん。
あんな感じのおじさんやねんけど、真っ直ぐこっち見とって目合ってもおた」

彼の説明を聞きながら
昔祖母や母から聞いた話と照らし合わせてみましたが、
そんな人は何処にも出て来ません。

話し合いの結果、明るくなるまではこのままここに居ようということになりました。

初めのうちは皆怯えを隠せず、物音なんかにも過敏に反応していましたが、
時が流れ、酒が入るとしだいに冗談を言っては笑い声が漏れるくらいになりました。

しかし、時刻が2時を少しまわったときです。

出入り口とは反対側の山側の部屋の窓がコツ・コツ・コツと叩かれる音が聞こえてきたのです。

山と家との間には深い谷がありますので、人の仕業によるものではありません。

私は震える友達を安心させるために
「どうせ蛾か何か虫がぶつかってるだけやって」

と言ってはみたものの、それはあまりに規則正しく何度も何度も繰り返されたため

「何か」によってなされているものだと確信いたしましたが、
歩いていってカーテンを開けて確認するほどの勇気は持ち合わせてはいませんでした。

今日はなんて日や、とおもっていると、その時にようやく降霊陣のことに気付き、
みな台所で洗い流しましたが、窓を叩く

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