けました。
…そこにあいつはいました。白い袴のようなものに身を包み、頭にはろうそくを2本、そして手には斧と猫の死骸を握っていました。そいつとの距離は直線にして約10メートル。
向こうは明らかにこちらに気付いており、体を左右に揺らしながら何かブツブツとつぶやいていました。僕等はそれが入り口にいる事で身動きが取れずただその場に立ちすくんでいました。その時Sが
S「おい俺、後ろに向かってせーのではしるぞ!」
僕「え、でもこれってどこにつながってんの?」
S「そんなの知らん。知らんけどどう考えてもあいつやばい。捕まったら何されるかわからんやろ?」
僕「そやけど、大丈夫かな?」
S「今は逃げる事が最優先やろ?安全かどうかはその次に考えよ」
Sの真剣な顔を見て僕も覚悟を決めました。こうなったらとことん逃げてやる!もし捕まってもこいつとなら倒せる!その時僕は本当にこんな事を考えていました。

 そしてSが小さく、
S「行くぞ…」
と言ったのを合図に僕等は一斉に走り出しました。二人ともバスケットボールをやっていたので足には自信がありました。
Sも僕の方を見て余裕の表情を浮かべています。しかし次の瞬間Sの顔が苦痛の表情に変わり、倒れました。
僕は何が起こったのかわからず、立ち止まりました。地面にSがもがいている、そのSの背中にはあの女の斧が…。そぅあいつは僕等めがけて斧を投げ運悪くそれがSに命中したのです。
僕「S‼︎」
僕はSに向かって走り出そうとしました。しかしできませんでした。
なぜならあいつが、あの女がSの胸ぐらを掴み恐ろしいほどの力でSを持ち上げていたから。
女は血走った目でSの顔を覗き込みそして満面の笑みを浮かべました。今でもあの表情を思い出すだけで震えが止まりません。
Sは、力を振り絞り
S「俺ー、逃げろ〜〜‼︎」
と僕に向かい叫びました。その瞬間あの女の表情が変わり、Sの背中に刺さっていた斧を抜き取ると、Sの左足を切り落としました。
S「ああああアァァァァァァーー!」
Sが悲痛な叫び声をあげます。それに構わず女は続けてSの右足を切り落とします。またしても、悲鳴をあげるS。
そんな状況下でも僕は逃げる事もせず、ましてやSを助けるわけでもなくただその場で女の行為を眺めていました。
それを見たSは、
S「俺…、助け読んできてくれ」
と力なくそれでいて説得力のある語調で僕に話しかけてきました。
その瞬間僕は身体が軽くなり、

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コメント(6)

犯人は実在するーーー!

おかわり希望(^ω^)

ストーリーのたて方とか、迫力あって最後まで読んでしまいました。 別のお話とかも見てみたいですね。

あざすw

これ好きwwww

面白かったです

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