私の後輩Kが体験した話です。

就職を機に埼玉県W市の賃貸マンションに引っ越してきたKは、都内にある勤務先まで電車で通うため最寄りの駅までは自転車で行き来をしておりました。

駅までの道のりは線路沿いの比較的車の通りの多い道をひたすら一直線に進むといった経路でだいたい10分程度、その道すがらKはいつも、ふと気になってしまう風景があったそうです。

その風景とはKの家と駅の丁度中間あたりにある賃貸のアパートの1階、線路側の道に向いた大きな出窓が特徴的な建物だったのですが、その出窓には道路の方を向くようにサイズが大きいものや中くらいのフランス人形のような造詣がリアルな人形が複数体、窓の大きさギリギリまで並んでいました。

Kはもともと人形というもの自体があまり好きではなかったのですが、ことさら人形が敷き詰められている風景は初めて見たときからどこか気味悪く感じており、毎日通る道ではありましたが、仕事の帰りが遅くなってしまうと夜にその道を通るのが嫌でわざと道を外れ遠回りをして帰っていました。

引っ越し後、その道を通るようになって3年目の12月、早めに仕事が終わったKはいつも通り線路沿いの道を通り帰路についていました。日が出ている時間も短くなり暗くなる前に帰りたいと少し速めに自転車を漕いでいると、視線の端を流れていく風景にふと違和感を感じました。

感じたのはあの嫌いな人形の置いてある出窓のあたりを通った時。少し怖いなという気持ちもありましたが、違和感の正体が何なのかという好奇心のようなものが勝ってしまったようで引き返してみることにしました。そして少しずつ近づくと、それがわかりました。


いつも、道路側を向いている人形たちの視線が全て部屋の中に向いている。


大きいもの、中くらいのものざっと7~8体ほどあったらしいのですが、K自身の記憶にある限りそのような向きになっていたのは今まで初めてだったそうです。ふと興味本位で見に行ったものの、近づくとより不気味さを感じるうえ、12月にも関わらずどこか生ぬるいような気持ちの悪い感覚があり、Kかきびすを返し家に帰りました。

その翌日、通勤時にKがアパートの前にさしかかった時、手前の道にパトカーと救急車が停車しているのが目に入りました。「何かあったのだろうか?」程度で通過したとき視線に入っていたのはいつも通り窓の外に向けて置かれている人形たち。あの日は整理でもしていたのかなと思っ

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コメント(2)

文章が上手くて怖さが伝わりました。とても良かったです!

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