この話はもう20年も前の話になってしまった。長いこと忘れはしなかったが、テレビに映った百合を観て久しぶりに思い出しながら書いてみた。すべてのきっかけになったあの出来事を。
あの頃はまだ学生で毎日のように遅くまで友達の家で飲んで夜中に帰宅するのが日課で悪習だった。
その日も3時ころまで飲んで友達の家から帰る途中の事。ついさっきまでの雨も止み、濡れた道路を歩いていた。
昼間は陽射しも強かったせいかアスファルトのムワっとした夜だったが、やけに月が綺麗で辺りは明るかった。
気の迷いでいつもは通らない道に遠回りして歩いていた。
特に理由はなかったが月明かりを堪能したいのとむせるアスファルトから離れたかった。
見慣れない住宅街の中を歩いてちょうど曲がり角に差し掛かった所になんだか古ぼけた駐車場があった。
立小便でもと、中に入り奥に行き用を足した。
振り返ると相変わらずの立派な月に思わず「ほほ〜」と言う俺。
視線を落とすと思わず「ギョッ」とした。
気づかなかったが同じ駐車場に人の気配・・・よく見えないが駐車場に誰かいる・・・
グレーの作業服を着ているようだ
背が高い人のような
違う!姿勢が不自然だ
身体が極端に屈伸している
柵・・・にぶら下がっているというか
人が引っかかっている!
でもその柵は剥き出しの金網みたいなもので人が乗れるモノじゃない。
それに気付いた途端、全身がこわばった
どこからか甘い匂いがする・・・
頭がぼ〜っとなって少し近づく俺。
どうしてかは分からないが止めどもなく涙が流れている。
怖いというかただ悲しかった。
我に返って気づくと空は明るくなってきていたので急いで家に帰りベッドに直行した。
目覚めると昼。大学は休みでゴロゴロしながら昨夜の事を思い出すと鳥肌がたった。
電話で友達に話すと「てか、飲みすぎじゃね?」と一蹴された。一理ありと思わず笑った。
何日か日が過ぎたある晩、車でドライブ。
あまりドライブは好きじゃないし、地理も分からない地域だったから、ただ真っ直ぐに走らせていた。
その日は彼女も同席。
夕方になり、辺りは暗くなりだしていたのでそろそろ夕飯だなとか、夜のテレビ番組とかの話をしながら車を真っ直ぐ車を走らせていたのだが、突然ハンドルを切って脇道に入る俺。
クネクネした道を走りだした。
でも口はずっと雑談していて自分ではその事に気づかなかった。
この怖い話はどうでしたか?
コメント(2)
これは作品ではなく、私が体験した実話です。 末文にも書きましたがその後は霊媒体質が開花し、数年間は相当キツい思いをしました。3人の霊能者の方々の協力により、封印してもらい今の人生があります。
ナルトン
読みにくい
あ