どうやら、木の小屋を外から石とコンクリートで固めたみたいです。

木はかなり古そうでしたが、穴が開いたり割れたりという箇所はありませんでした。

「おい、上見て見ろよ。上。」

清水が懐中電灯で上を照らすと、そこには天井板がなく、
大きな梁にボロボロの布が巻き付いているのが見えました。

原田が手を伸ばし、垂れていた布を掴んでちぎり取りました。

細長い布に何だかわからない文字が書かれています。

「なんだコレ。読める?」

「あー、これお経とかに書いてある字だよ。」

清水がそう言ってボロ切れをポケットに入れ、今度は床の方を照らしました。

鏡の破片に懐中電灯の光が当たってキラキラと乱反射しました。

「スゴイ量だよな。この破片。」

破片を手にとって見ると、古い鏡のように黄色や茶色のサビが入っています。

どれもこれも曇っていてハッキリと映りません。

「あれ?これ割れてねーぞ。」

清水がそう言って、部屋の隅に懐中電灯を向けました。

そこに鏡が置いてありました。

古そうな丸鏡でなぜか木の台の上に置かれていました。

それが懐中電灯の光を反射して清水の顔を照らしています。

俺はその時、猛烈にイヤな感じがしました。

「清水。もうやめようぜ。」

原田も同じことを思ったのか、清水の方に向かって声をかけました。

清水は返事をしません。

鏡からの光がゆらゆらと揺れて、清水の顔がまだら模様に見えました。

俺はなぜかその光景を見ていられなくなって目を背けました。

「おいっ清水、もうやめろって!」

原田が後ろから清水の体を掴んで揺さぶっているようです。

「んーーー。んーーー。」

後ろから変なうなり声が聞こえてきました。

堪らなくなった俺は外へ逃げようとしました。

戸口は目の前です。

逆光で石川の姿がシルエットになっている。

そこを目指して走ろうとするのですが、
膝のあたりがガクガクして足が上手く動かせません。

悪夢の中を逃げているような感じでした。

「んーーーんーーーーーーんーーーーー」

「おい!誰か手伝え!清水がおかしいんだって!」

原田が叫んでいるのが聞こえましたが、
俺には振り返る余裕は全然ありませんでした。

とにかく外へ出ようと必死で足を動かしました。

「だ、大丈夫か!」

石川が横をすり抜けて清水の所へ走りました。

俺がようやく外へ出て地面に尻餅をついていると、

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コメント(6)

なんで言うなと言われても人に言うのよ。

何度読んでもこれゾッとする。

ヒェッ

こええからやめろ…

怖いですね

だから、怪しい所とかに興味本意で行っちゃ駄目なんだよ。 そういう目にあうんだからさ。

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