もうかなり前の出来事

当時俺は都内の超高層ビル30階にある会社に出向社員として働いていた。とにかく毎日残業ばかり。このビルは夜10時以降残業する場合、防災センターに退社時刻を申告する事になっているので必ず時間通り退社しなければならない。そして退社時刻になると迎えのエレベーターが扉を開けて待っているのだ。

ある日の深夜、仕事を終え同僚とエレベーターホールに向かった。いつも通り迎えのエレベーターが扉を開けて待っているのだが、奥にもう1台扉を開けて止まっている。

同僚「おっ 2台来てるじゃん せっかくだから1台ずつ乗ろうぜ」

俺「いいですね じゃ俺、奥の方に乗ります」

よく見ると迎えの方は下行きランプが点滅しているのに奥の方は何も点いていなかった。

何か変だなと思いつつ乗り込んだ瞬間、扉が閉じてしまった。

何だ!? まだボタン押してねーぞ

慌てて防災センターがあるB1ボタンを押したが反応しない。下がるどころか勝手に上昇していく。

何だよ どこまで行くんだ

49階で止まった。

真っ暗なフロアーがエレベーターの灯りでうっすら浮かび上がる。レストラン街だった。多分このフロアーの従業員が帰る為の迎えで上がって来たのだろう。仕方なくここで待つ事にする。が...

誰も来ない

同僚の携帯に電話しようとしたら何故か圏外。

気味が悪いので同じエレベーターで下に降りようとボタンを押しているのだが全く反応しない。

幸い、ホールの呼び出しボタンが点いたので別のエレベーターの到着を待っていたのだが、これまた一向に来やしない。

階段で降りようか?

いくら何でも50階近く降りる気力なんか無い。

どうしようか迷っているとフロアーの奥から足音が近づいてくる。

パタッ パタッ パタッ

よかった、人が来た。大声で呼び掛ける。

「すみませ~ん エレベーター来てま~す 急いでくださ~い」

パタッ パタッ パタッ ...



どこかへ行ってしまった



何だよ、、、誰だよ一体!?

呼び出しボタンを連打する。

早く来い!!



ガシャン!! カランカランカラン、、、



ひっ!?



半べそかきながら更に連打。

エレベーターがやっと到着。

助かった...

扉が開くと同時に飛び乗る。

閉ボタンをひたすら連打。

閉まりかけた扉ごしに見てしまった。







こちらを覗きこむ白い影

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コメント(1)

今でさえ50階高層はそんなに多くないのに、当時都内で45階建となると相当限定されますね。何年くらい前でしょう?行ってみたいから。

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