その絵画はバレリーナが 華麗に優雅に舞う姿を描いた物だった。

モデルは20代前半の女性が3人で手前に1人後方左右に1人ずつが舞台の上で 舞っている。

画題は 時 となっていた。

持ち主が已むを得ない事情で手放した物として 売りに出されていた物を 友達 ( N )の母親が購入して来た物らしい。

Nは 最初 見た時に違和感を感じたらしいのですが 母親が気に入っていたので 何も言わず リビングに飾っていたそうです。

絵画をNの母親が購入してから 3日後から 物が勝手に動いているという事が何度もあった。

それは 気付くか気付かないくらいの感じで ポルターガイストの様な 大きな物が動くというものとは違うと言っていました。

例えば 朝 机の上の本に 肘が当たり 床に落としてしまったが そのまま 家を出て 帰って来ると ベッドの上にあったり 食器を大きさ別に重ねているものが バラバラになっていたり そんな感じだったらしい。

留守の間に誰かが入り 込んでいるのかもと 父親が ドアに鍵を新たに1つとダミーを1つ 付けた。それでも 家の中の些細な物が動くという事は無くならなかった。

それから 一ヶ月くらいしてから 母親が絵画が変だと言い出した。
Nが見ても良く分からなかったが 母親は購入して来た時の物とは違ってると そこで何処が違うのか?を母親に訊ねると 母親は舞台に小さな女の子が居ると言った。

Nは絵画を食い入るように見つめるが その小さな女の子を見付けられなかったが 妙な違和感だけはあった。

母親は気味悪がって 物置にその絵画をしまってしまいました。

月日が経つに連れ おかしな事も増えていった。
特に 糸や紐といった物がやたらと切れる様になった。新品なのに糸が綻び ほどけてしまうとか 靴紐が切れるはずの無い位置で切れているとか……。

そして そんな小さな事が積み重なった結果 Nの母親が体調を崩し 静かな場所へ引っ越す事になり NとNの友達と父親とで 荷物の整理を始めた。 Nは物置に押し込まれた 母親が買い集めた絵画を包装していた。

そして そういえば……とあの時の絵画を探した。
てっきり 手前に放り込んだと思っていた 絵画は随分と奥の方に置かれていた。

( よっぽど 見たく無かったんだな…。)

そう呟いて Nは絵画を見た。
パッと見ただけじゃ ソレは分からなかった でも良く見ると 母親が言ってい

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Comment(5)

その絵に作者の怨念が憑いていたのかもしれません。壊した上で燃やしたのは正解でしたね。

匿名さん。コメント有り難う御座います。 処分しなければ……Nの母親が手放す形で何処かに売られていたと思います。呪いより桁違いの怖さがあったと思います。 Nは直感が働くので 最初で違和感を感じたのでしょう…。何故?Nが平気だったのか…?を考えたら 私は見なくて良かったなと思います。本当に…。

つんこりんさん。コメント有り難う御座います。 悪意ある絵画を完成させた人が居たのは確かなのでしょうが……Nが絵画を処分したので もしかしたら 返しが飛んだかも知れませんよ。そういうものだった様ですから…。

怖いですね。絵を始末しなかったらどうなっていたのか?結果助かったのは、守護霊さんのお導き…

お母様がご無事で何よりです。しかし本当気味の悪い悪意のある絵ですね。何故に描かれたのでしょうね。

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