私が小学校3年生の頃の話です。
当時、古い町営住宅に両親と3人で暮らしていました。一人っ子の私は、自分だけの部屋と二段ベッドまで持たせて貰っていました。当時で、築何十年も経ったアパートの一室ですので、天井は低めです。二段ベッドを置くと上段は子供の私が座っても、頭が擦れそうな程ギリギリのスペースしかありませんでした。しかしその圧迫感が妙に安心できた為、上段でばかり眠っていました。

ある夏の夜のことです。熱帯夜である上に、クーラーも無い鉄骨アパートの一室は、蒸し風呂状態です。幼い知恵を働かせ、二段ベッド真横のベランダの大きな窓を開けて、延長コードを使いベッドの枕元に扇風機を設置して、作動させたまま休むことにしました。強引な方法ではありましたが結構快適で、そのまま眠ってしまいました。

蒸し暑さで目を覚ましました。腹這いで寝る癖のある私は顔を起こし、扇風機の隣に置いてある目覚まし時計を確認しました。まだ、深夜2時前です。その蒸し暑さの原因は、扇風機が止まってしまっていた為でしょう。寝相で停止ボタンを押してしまったようです。自分の寝相を恨みながら扇風機の作動ボタンに手を伸ばしたその時、
『ボスン』
腹這いで寝る私の足の間に、重量のある何かが落ちて来ました。正確には、誰かが入って来ました。
何故かその時私は直感で、
“男の人が膝を着いた”
と感じたのを覚えています。
全身から吹き出る汗。恐怖。危機感。喧しく、ドクンドクンと自分の心音が聞こえます。咄嗟に私は動きを止め、息を潜めました。目を閉じてはいけないと思い、瞬き以外は見開いていました。ずっと存在する重量感と何者かの気配。

どれだけ時間が経ったでしょうか。きっかけなど無く、足の間の重量感が、ゆっくりと消えて行きました。それに安堵した私は、いつの間にか眠ってしまい、気付けば朝になっていました。冷静な頭で昨夜の事を思い出します。 “誰かが入って来た。変なおじさんかも、窓空いてたから入って来たのかも。…ううん、あり得ない。私の寝ているところ、大人の座高で膝を付けないんだ。”
ぐったりとしながらベッドから下りると、再び高鳴る心臓に胸を押さえながら、居間に行きました。父親は既に仕事に行って居り、母親が朝食の準備をしていました。私は意を決して、昨夜の事を話しました。
母親は、黙って私の話に耳を傾けてくれました。話しているうちに、胸のドキドキが治まって行きました。話し終えると、

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