
話してはいけない
当時の私は高校も中退していて、親からも見放された状態だった為、
遊びよりも生活資金って感じで、朝から夜までバイト三昧でした。
週1の休みには、息抜きで時々友達と遊びに出かけたり、1日中寝ていたり。
当時は高校中退だったから、DQN友達くらいしかいませんでしたけど。
バイトを始めた時からコツコツ貯めていたお金で免許をとりました。
母が新車を買うため、古い軽自動車を無理やり押し付けられ、
その車で夜中のドライブが日課になっていました。
バイトの疲れなんか気にしないくらい、運転するのが楽しかったです。
夏頃に、バイトの休み前日の夜に友達と
「心霊スポットの廃病院に行こう」
となり向かったのですが、期待を裏切るように霊とは会えず。
そこに住み着いていたホームレスのおっさんにびびらされたくらいで、
変に驚かされ、仕方なしに「帰ろう」ってなりました。
その帰り道、車内で怖い話をしようってなったのです。
友人Aは怪談が大好きで沢山話をしてくれたのですが、
聞いているだけで満足の私に、Aは
「お前も何か話せよ」
と言ってきたので、家に居た時に携帯サイトで見た話を思い出して、話を聞かせました。
話の内容は、稲川の番組で放送中止になった話です。
確か内容は戦時の、とある女霊の話だったのですが、詳しくは書けません。
要するに、「誰かに話したらいけない」系統の話です。
当時の私は、そんなの信じてる訳もなく得意げに皆に聞かせました。
これが間違いだったんです。
怪談話で帰りの車内は盛り上がって、そのまま各自宅へ友人を送り届け、その日は解散で終わりました。
未だ慣れない夜の運転に疲れた私は、体のだるさを感じつつ家までの階段をのぼり、
鍵を差し込み回せば、ドアの取っ手に手をかけて玄関を開けようと引いたんですが──
ガチャン。
……といって開かない訳。
「鍵閉めていったよね??」って疑問抱きながらも、
もう一回鍵を取り出して玄関を開けて家に入りました。
早くお風呂に入りたくて、取り敢えず部屋の電気つけたらびっくり。
空き巣に入られたように部屋の中が荒れてました。
クローゼットの洋服やテーブルの上にあったものは床に散らばってるしで最悪です。
早く寝たかったものの、しょうがなく警察呼んで事情聴取を受けました。
いろいろ聞かれて気分は最悪の事情聴取を終えてシャワー浴びて、
「明日バイト休みだから、明日片付けよう」と思って寝室のベッドに飛び込んで、その日は寝ました。
そして夜、金縛りに。
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