社会人3年目の時です。

半同棲生活をしていました。

彼女は自由奔放なフリーターの女の子で、色んな事に興味津々でした。


彼女が私の家に連泊し、好きな時に実家に帰る。

そんな感じの生活を送っていました。

8月に入った頃でしょうか?

酒が切れ、彼女と深夜にコンビニに向かうことにしました。

翌日休みという事もあり、今日は2人で呑めるだけ呑んで、ぶっ倒れてしまおうと思ったのです。

コンビニに着くと彼女は

「外で待ってるね。」

と、言いました。

なんで?夜も遅いし23区内でしたが決して人通りも多いとは言えません。

一緒に入ろうと言いましたが、彼女は意思を曲げず、座り込みました。

私は仕方なく、1人でコンビニに入りました。
彼女が心配だったので、早く買い物を済ませ、外で座り込んでいる彼女に話しかけました。


彼女がポツンと言いました。

「ねえ。私の事好き?」

私は好きだと答えました。好きだったからです。

「ねえ。5年前に戻りたくない?」

「戻りたいといえば戻りたいけど…別に今がいいかな。」

彼女は無表情でした。

「本当に?戻れるなら戻って、あの失敗を帳消しにしたくないの?」

私は少し考え、あの失敗があるから今の私があるのだというような事を答えました。

彼女はしつこく

「本当に?本当に?」

と繰り返しました。

私は何か違和感を覚えながらも、本当だと言い切りました。

彼女に5年前の話などした事はありません。

突然、彼女が立ち止まり俯きました。

私は、何か嫌な物を感じながら彼女の様子を伺っていました。

「正解…」

彼女は顔を上げ、そう呟きました。

これから一緒に帰るのか?
そう思ったとき、彼女が腕を絡め言いました。


「ずっと一緒だよ。愛してる。」

たったこれだけの事が、非常に怖かったのです。

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