がかりなことが。

「どうして、青なんですか?」
「ん?ああ、静がつけたんだよ」
「誕生日が9月14日だから誕生石のサファイアの色の青。私はアクアマリンだから・・・」
「青ですね」

兄弟そろって青なのか。

「俺は、エメラルドなんで緑ですね」
「よろしく、緑君」
「お願いします、青先輩」

3人で笑う。
やはり、2人のときとは全然違う。
何か、心霊テンションではない。
先輩以上に関わりやすい人だと思った。

「何もいないな」
「あぁ、静が怖いからじゃないか?」
「確かに、そうかもしれませんね」
「ちょ、2人とも」

何か、楽しい。
すべての部屋を回ってみたが、闇とベッド以外はほとんど物が無く、ただ時間だけが過ぎていた。
病院を潰すとき、物はほとんど運び出したのだろう。

「そろそろ、20分ぐらい経ちましたかね」
「そうだね、30分ちょい経ったと思う」
「まだ、2階もあるみたいだけど、どうする?」

階段の前で止まり青さんが振り返る。
俺は、先輩のほうを向く。
先輩も俺のほうを向いていた。
目が合った瞬間、不覚にもドキリとしてしまった。

「いつまで、見詰め合ってるんだ?2人とも仲いいな」

「うらやましいぜ」とか言いながら、階段を上がっていく。
いや、そんなわけでは・・・。

2階もこれと言って特別な事も物も無く、強いて言うならばトイレが1階よりも綺麗だった。
外から見た様子とは違い、闇を掃除すればとても綺麗なところだ。
ただ、前にも誰か入ったようで、落書きはあった。

「そろそろ、1時間だと思うが、時計を持ってくればよかったな」
「あ、俺持ってますよ」

あれ?
無い。
入る前は、確かに持っていたのに。

「どうした?無いのか?」
「はい、落としてしまったみたいです」
「んじゃそろそろ出るか」
「すみません」

外に出る時も特に何も無く、ただただ3人で楽しくおしゃべりしただけだった。

外に出ると、入り口付近に時計が落ちていた。
最初の音は、これだったのか。

「壊れてないか?」

と青さんが聞いてきたので、秒針を見て動いているのを確認し

「大丈夫っぽいです」

と答えた。

「とんだ無駄骨だったようだな」
「静が怖いせいで・・・」
「青兄、まだそのネタ言うの?!」

仲良いな。

「そろそろ帰りますか」
「何にも無かったのは、残念だな・・・」

先輩は、本当に楽しみにしていたからな。
笑って帰ろうとしたと

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Comment(2)

要は1時間くらい経ってたと思ったのに実際には10分もも経ってなかったってことか

師匠シリーズみたいで面白い。続編が楽しみですね。

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