あまり怖くないかもしれませんが
実際に体験した話です。






知人と車で出かけた時のこと。

私は助手席に座って、外を眺めてた。


ふとみると数メートル先の神社の前あたりで、

鬼の形相をした大柄の女が自転車をこいでいるのが見えて、ぎょっとした。

がに股で、とにかく必死にこいでいる。
自転車のかごには何も入っていないし、バックも何もなく手ぶらだった。

(長いサラサラの黒髪だったので、女だと判断したわけだが
肩幅が広くガッシリしていたので、もしかしたら女装した男だったかもしれない…)


運転していた知人も、その女に気付き
「え、なにあの人」と引いた様子で呟いた。


なんだかいろんな意味でめちゃくちゃ怖かったので、
私も知人も息を飲む感じで黙り、その女を追い抜き車を走らせた。



しばらくして、その女が見えなくなったくらいに
「めっちゃ変な人だったね。こわっ」っと知人と言い合い、盛り上がった。


それからさらに5分ほど車を走らせたところで、

知人が「えっ、、、あの人」と漏らした。


私はいじっていたスマホの画面から目を離して窓の外を見た。



数メートル先に、あの自転車の女がいる。



私達は寄り道もせず車を走らせていたし、
田舎ならではのまっすぐなわかりやすい道だったのに

なぜずっと前に追い抜いたはずのあの女が私達より先の道にいるのか、訳がわからない。


ゾクッとして知人も私も喋らずにじっと女を見つめる。


女は相変わらず鬼の形相、そしてがに股で爆走していた。


また車で追い抜いたのだが、横を通る時ものすごく緊張した。

女は一切こちらを見ず、前だけを見ている。




女の姿が見えなくなって、緊張が溶けた私達は

「何だったんだろうね…」
「もう怖いから今日は早く帰ろう」

ということになって、すぐ解散した。



あれ以来、あの女は見ていない。




時空が歪んだ…? ワープしたのか…?

こうやって書くと嘘臭くなるが、
不思議でしょうがない。


あんなに急いでどこに行こうとしていたのか…
なぜ手ぶらなのか…
そもそも女?男?
ほんとに生きた人だったのか?


いろんな意味で怖い体験だった。

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Comment(3)

先行してた自転車の運転手の顔が見えたんだとしたら、後ろに顔があったのかな? 車で5分だったら4kmぐらいかな? 双子の長髪兄弟か兄妹だろね! バイクならナンバーあるけど自転車なんて区別つかないだろなぁ!

こういう地味なのが一番怖い。 かなりリアルですし。 私が見た霊達も 特にこちらに何かしてくるわけでもなく 同じ様に意味の分からない行動をしているのが多かったので実体験故のリアルさが怖かったです。

これは体験したら絶対怖いですよね!!読んでても結構怖かったです。何かしてくるわけでも無いけど怖いですよね。

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