これは僕の親父、つまり父親が実際に体験した話です

今となっては怖い話となれば、いつでも大歓迎ってほど大好きですが、中学生くらいまでは怖くて怖くて仕方ありませんでした

しかし中学生ともなると

『男なのに、、』

と友達にバカにされるのが嫌で、平気なフリをしていました


そんな時にクラスで実話怪談やら肝試しやらが流行った時期があり、俺も話しに加わるために怖い話を仕入れようと親父に何かないかと尋ねました

すると親父が小学生の頃、友達と二人で辺りが暗くなるまで学校で遊んでいた時

着物姿の女の人と、学生服に短パンに帽子を被った男の子を、学校の校庭の鉄棒の近くで見たと言うのです

昔の入学式のお母さんと子供って感じだったそうですが、二人とも明らかに膝から下がなかったそうです


『これはやばい』

親父と親父の友達は顔を見合わせて、一目散に帰ったそうです


その話を聞いて

『親父、幽霊見てるとかすげーじゃん!』

と思いつつ、話のネタができたと嬉しかった記憶があります


その話を聞いてしばらく経ち、成人して実家に帰省していた時に、不意にその話を思い出して

『こんな話してくれたよね』

と親父に話しました


『あー、そういえば話したな』

なんて感じに親父もビール片手に軽く話してたんですが

『そういえば、その親子の幽霊見た後、学校が怖くなったりしなかったの?』

と聞くと

『んー、学校は怖くなかったな』

と意味深な発言をして、ビールをグビッと飲むと、こう続けました

『ただその友達はすぐに原因不明の病気で死んだから、俺もお迎えがくるんだろうなって怖かったな。今考えると友達が選ばれてくれたんだろうな』


中学生の時の俺が聞いていたら、怖すぎて寝れなくなっていたのは間違いなかったと思った瞬間でした

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