話は俺がまだ小学校にも入ってない頃に遡るんだけど、


俺の家は当時両親とばあちゃんと兄貴の5人暮らしで、一軒家に住んでた。

俺は兄貴と二人部屋だったんだけど、ばあちゃん子だった俺は寝る時だけばあちゃんの部屋で一緒に寝てたんだ。

その時、よく変な夢を見た。

夢の中でばあちゃんがにっこり笑って
「ばいばい、とおる君(俺の名前:仮名)」
って何度も何度も言ってくんの。

ばあちゃん行かないで!
一緒にいてくれないとやだ!

って言おうとするんだけど声は出ないし、手を伸ばしても全然届かないし

当時の俺にとっちゃ、悪夢。

目を覚ますといっつも泣いてて、ばあちゃんがよしよしって頭撫でてくれてた。

だからその度にどこにもいかないでねってお願いしてたのを覚えてる。


でも、それは現実になった。


突然ばあちゃんと離れて暮らすことになった。

納得のできない俺は両親にどこにいったのか何度も聞いたんだけど、
「おばあちゃんは病気になっちゃったからそれを治さなきゃいけないんだよ」
としか言われず、それ以上何にも教えてくれなかった。


それから月日が流れて、ばあちゃんに会うこともなく13年経った。


その知らせも突然だった。
ばあちゃんが心臓を悪くして亡くなったそうだ。

小さい頃はあんなにばあちゃん子だったのに、悲しい気持ちはあっても涙は出なかった。
その時から一度も会ってないとはいえ自分が少し薄情者のような感じがして嫌だった。


そして、また月日が流れ俺が社会人になった頃。


実家を離れていた俺は年明けに久しぶりに実家に帰った。兄貴も帰って来てた。

久しぶりに家族が揃ったこともあって話も弾んだそんなとき、俺はふとばあちゃんの夢の話を思い出して家族に話したんだ。

実は昔こんなことがあったんだーって

そしたら、両親の顔が一気に怖くなって俺と兄貴は不思議そうに顔を見合わせた。

俺がどうしたのかしつこく尋ねると、母親が意を決したように話し始めた。



ある日、深夜母親がトイレに起きた時にばあちゃんの部屋から何やら声が聞こえたらしい。

呪文のようにぶつぶつ何か言う声に怖がりな母親は父親を起こし、見に行ってもらったそうだ。

父親が恐る恐る覗いてみると、


にたりと気味の悪い笑みを浮かべたばあちゃんが寝てる俺の横で正座をしてひたすら言っていたんだそうだ。






「ばいばい、とおる君」
「ばいばい、と

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Comment(1)

嫁姑問題かな? 父親の両親と、同居だったけど母の苦労は並大抵のものではなかった。今思い出してても心が痛み、トラウマしかない地獄だった。

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