A県山間部の限界集落での話。
そこは、山菜がよく取れる山でもある。
ちなみに俺はその集落で生まれ育った

良質な山菜が取れるので、よそ者が山菜を取りにくる。

そして数年に一度、遭難者がでる。
また、集落の痴呆老人が徘徊して山に消える事もあった。

だが・・・

全員無事に必ず見つかる。
それも必ず同じ場所で。
さらに必ず遭難中にあった証言が現実離れしている。

たまたまの偶然で同じ場所と思っていた。

しかし、歴代の遭難者がいつも同じ証言をするのでおかしい
痴呆徘徊の老人も山で見つかったとき同じ証言をする。

その証言を下記に記す。


【証言】
山を歩いていたら、出口の方向が解らなくなり日が暮れはじめ、山中で遭難したことに気付く。

すこしパニックになっていると、山中で手招きしている人を見つける。
「やった!自分を捜索してくれてる人達に見つけてもらった」と、思い
手招きしてる人に近づくと、何かおかしい。

この平成の時代なのに手招きしている人は、侍である。

そして侍が、遭難者に「こっちに来て少し休め」と道を案内し始める。
急に広い道が現れた。
しっかり整備された昔の土の道。
斜面は石垣が続いている。

その声を聞いた瞬間、非現実的な違和感が無くなり、あたかも自分は侍の時代の人間と思い込む。
しかも夜になりかけ、暗い山中が急に昼になる

まるで別の集落に抜け出したと思った。

しばらく坂道を登ると、城が見えて来て城域までたどり着くと、別の道を案内された。
侍が「ここから先は1人で歩け。しばらく歩くと巨木が現れる。
その木の根元に人1人入れる穴が空いてる。
そこで今日は休むといい」と言われた。

そして歩くと例の木を見つける事ができた。
侍に言われた通りに巨木の根元の穴がに入った。
歩き疲れてゆっくり休む事ができた。
穴から見える景色は、遠くに城が見えてのどかな田園風景の集落だった。
人もいっぱい出歩き、何か作業をしていた。

気がつくと睡魔に襲われ、寝てしまった。

起きた時には、地元消防団に見つけられて、救急車に乗せられるとこだった。

以上が遭難者の証言。
痴呆者は話がちょっと違うが、「侍」「城」「巨木の根元」のキーワードが合致する

地元消防団曰く、遭難者は大きい岩の塊の横に座っていた。
遭難者は必ずこの場所で見つかるらしい。
大きい岩の塊は路線バスくらいの大きさである。
まるで神を宿しているようだと、

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Comment(1)

ステキなお侍さん。好きな話です。

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