これは、私の友人が体験した話です。
友人の住んでいるS区では昔からある噂があったのです。それは、友人の住んでいるマンションの近くにある使われなくなったトンネルのことです。長さは全長50メートル程あり、入り口と出口には人が入れないように扉がついていて、いかにも昔何かあった風だったと言います。
その噂を知らなかった当時小学生四年だった彼女は、学校の友達の三人とまだ扉がついていなかったそのトンネルについて下校中に話していました。
(仮にその友達をA君B君Cちゃんとします。)
A君「なぁなぁ、この近くにある◯◯トンネルって知ってるか?」

Cちゃん「あぁ、N子(友人)のマンションの近くにあるあのトンネルでしょ?でもあそこお父さんとお母さんがいつもいっちゃダメって言ってるよ。」

B君「うん、うちもそうだよ。うちのばーちゃんは何か知ってるみたいだけど何か怖くて聞けないんだ。」

A君「柵とかしてないし、一度いってみないか?」

N子「ダメだよ!うちのお母さん霊感あるんだけど、あそこだけは危険だから絶対行かないでって言ってるもの。」

A君「ちぇっ。つまんねぇのー。」

しかしそれから5日後、事態は急変します。

A君が一人であのトンネルに入ったまま行方不明になったのです。

親や警察はあわてふためいてA君の行きそうな場所を探しましたがどこにもいません。

そして友人達があのトンネルの事を話したところ、A君の両親は顔を真っ青にして、

A君の母「そうね。私達がAに何も言ってなかったのが悪かったのね。悪いけど、あなた達も一緒にあのトンネルに来てくれないかしら。あのトンネルに入った者を救えるのは子供しかいないの。」

と泣きながら言いました。どうやら、トンネルの霊は子供にしか見えないようです。

友人達は歯をくいしばってA君を救うためにトンネルに入りました。

遠くからは見えなかったみたいですが、トンネルの正面にはかすれた字で
「カシナトンネル」と書いてあったようです。
その時友人はふと思ったようですが、A君の両親がなぜか警察を呼んでいなかったことに疑問を感じたようです。

それでも中に入ったら、昼間にもかかわらず薄暗くて、気味が悪かったといいます。

暫く行くと、まるで溜池のようになっている水溜まりの前で体育座りになっているA君を発見したそうです。
友人達はA君が生きていた事にほっしてB君が
「おい、A!大丈夫か!?」
と聞

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