俺は嫁とメールのやりとりをしていた。

内容については巷で噂になっている、あるレストランの話だ。





嫁[あそこは絶対に行かない方がいいよ]

俺[なぜだ!?]

嫁[友達が言ってたけどね、レストランなのに人気が全くなくて真っ暗らしいの。なんか怖くない!?]

そんなに味がマズイのだろうか?お先が真っ暗なくらい…。

俺は逆に興味をそそられた。

俺[バカヤロー!人気のない店ほど掘り出しモンが出るかもしれねーだろ!]

嫁[血まみれの何かが出てきたって噂だよ]

俺は血の滴るステーキが大好きだった。

俺[鉄分たっぷりで良いじゃねーか!そりゃ血が苦手なヤツもいるだろ]

嫁[ホントに出てきたらどうすんの!?]

俺は血の滴るステーキが大好きだった。

俺[褒め殺しするよ]

嫁[やめときなよ~。死んじゃったらどうすんの?]

マズすぎてという意味だろうか?俺もナメられたものだ…。

俺[いくらなんでもそりゃ言い過ぎだろ!お店の人に失礼だ!お前がなんと言おうと俺は行く!ステーキ頼んだら写メでも送ってやるよ]

少し間が空いてから、

嫁[メールって怖いよね…]

と返ってきた。

全然意味が分からなかった俺は、

俺[うるせー!返信遅いんじゃボケ!]

と返した。

それから嫁の返信はなく、メールは終わった。





俺は嫁の言うことなど全く無視して、レストランまで全速力で走った。

30分くらい走った。

レストランの近くまで来たときには確かに俺は死にかけていた。

「くそ、おれはまけない…」

しかしレストランの前まで来たとき、ある異変に気付いた。

警察だった。

俺「ど、ど、どうしたんですか?はぁ、はぁ。じけんですか?はぁ、はぁ」

走ってきた俺はロレツが回っていなかった。

警「いやね、ここのレストラン。営業してたはずなのに、あまりにも人気がないから調査してくれって頼まれてね。そしたら遺体が出てきたんだよ」

俺「ひとけ がない?はぁ、はぁ。にんき がないのまちがいじゃ…。はぁ、はぁ」

警「ん?ここは巷じゃ結構な人気店だったよ。まぁしばらく人気がなかったから、色んな噂があったみたいだったけど…、これで無事に解決したね。じゃっ!」

警察は去って行った。





プップーー!!

クラクションの音が響く。

嫁「乗ってく?」

たまたま車で通りかかった嫁に、俺は乗せてもらうことになった。

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