あんまり怖くないかもだけど。

自然学校ってあるじゃん。小学五年生くらいの時に田舎の自然の家みたいの行くやつ。
うちの学校はあれが一週間くらいあったのね。
で、一週間ずっと皆で寝泊まりするわけよ。初めは皆恋バナしよーとか言うんだけど、そこは小学生。すぐ眠くなって寝ちゃう。私もそうだった。

時間はよくわからないんだけど、窓の外は真っ暗で、同室の皆もシーンとしてて、声をかけても誰も返事をしない。妙に目が冴えてて寝れなかった私は二段ベッドの上の階で暇を持て余してた。
先生が見回りに来たら叱られそうだなって思いながら寝返りうちまくってたら、パタ、パタ...って足音が。

私はすぐに布団を被った。足音はすぐに部屋のなかに入ってくる。ちゃんと寝てるか確認でもしているらしく、ベッドの中をのぞきこまれる気配がある。足音は奥まで行ってからしばらく止まって、またパタ、パタ...。しばらくして足音が完全に消えて、息苦しくなった私は布団からでた。勿論先生はおらず、それから10分くらい手遊びして暇潰しをした。

そして、10分後。

またパタ、パタ...って音がして、「え?」って思ってると先生が部屋のなかをのぞいていた。あ、やば、と思うも時すでに遅し、先生とバッチリ目があってしまった。

とはいえ私は起きていただけで、べつに騒がしくもしていなかったので、先生には怒られなかった。ただ、「まだ起きてたの、早く寝なさいよ」と言われただけ。
それに安堵した私は、ちょっと調子にのって先生に聞いてみた。

「先生、見回りの回数多くない? さっきも部屋入ってきたじゃん」

そしたらね、先生は怪訝そうな顔してこういうの。


「何言ってんの、見回りは二時間に一回だし部屋の中までは入らないわよ」


じゃあ足音はなんだったのかな? って話。
実話です。

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