居酒屋の帰り道

トイレがしたくなった

夜11時だからさすがに公園には誰もいない

公衆トイレがある

普段なら入らない

でも、そこのトイレは最近改築しキレイだからいいかなと思った

少し先に、道路を渡ればセブンがあるけど
交通量が多いからわざわざ渡るのも面倒

公衆トイレの前まで行くと真っ暗

恐る恐る入り口に近づくとパッと灯りがついた

こういうシステムねと思いながら入った

やっぱりキレイだ

壁は10センチ四方の薄いベージュ色のタイル張り

2つある個室の奥側に入った

用が終わり、立ち上がりズボンをあげながら、目の前のタイル張りの壁の上の方に目が向いた

キレイなタイルにうつっていたのは、

後ろにある別の個室との仕切りの上に

こちらを覗く人の顔

タイル越しなので人の顔というだけしか分からない

ただ頭を出しているのか?

怖さで声も出なかった

そのまま気づかぬふりを装って、手も洗わずに公衆トイレを出た

疑問…

本物の人なのか?

そうじゃない人(幽霊系)?

私がその公衆トイレに着いた時には真っ暗だった

あんな、人が来るかも分からないとこで
ジッと待つなんて

あり得ない…

でも、なんとなく幽霊なら気配を感じたり
するのがいつものパターンだけど

どちらなのか知りたかったが、もう一度戻る気にはなれなかった

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