専門学生時代の話。

北海道の東側にある、ある有名な湖。

ドライブしてたらたどり着いた。

砂利道の駐車場はもちろん夜中なので誰もいない。

駐車場に両端にはそれぞれ湖に続くらしき道が見えた。

運転していたわりと地元人に聞くと、細い砂利道だけど、車で湖の周りを一周できるらしい。

この湖、出るって話聞いたことある!

また別の地元人らしき人が言った。

じゃ歩くのは無し。

車で一周することになった。

道は細く、しかも砂利道。

途中2台の車と、大変ながらすれ違った。

大体半分位のとこに大きな墓標があるよ

と地元人が言う。

墓標?

イヤーな感じ。

墓標に見える。

今まで細かった道が少し拓けた。

ずっと砂利道の両側の林も拓けていて

狭い広場が現れた。

また車が1台あり、すれ違うのを待っていたらしく停まっていた。

そのためその狭い広場で車から降りることもなく通りすぎた。

私は案外怖くなかったなと思ったりして

しばらくフロントガラスから後ろを眺めていた。

街灯もないため、ほとんど闇に近い中、

チラチラと光を発しながら動く物がある。

それは光をバックに踊る人に見えた。

規則性のないバラバラな感じ。

それでいて、何か激しさを感じた。

私がずっとフロントガラスに食いついていたため、運転していた地元人らしき人が聞いてきた。

(霊が)見えるの?

いや~。
分かんないけど、チラチラした中で誰か
踊ってるみたい。

シーン。

なぜか無言のまま、猛スピードになる。

変な緊迫感。

たどり着いた駐車場には止まらず、その後は家に帰るべく…

朝方になり明るくなった頃。

やっと地元人らしき二人が口を開いた。

なんで見るかな~

オレ、マジ怖かった~

私をまるっきり無視した会話。

何が~? 踊る幽霊なの?

怖っ! だから踊ってるんじゃないって!

あそこで焼身自殺した人がいんだよ!

踊ってるなんて言ってしまって、

すみませんでした。

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