続きです

数日後、改めて大○池に行くことになった

また前回とほとんど同じメンバーだったが、数人は恐怖のため辞退した

林を通る時にはまた全員手を繋いで歩いた。

ボート乗り場まで辿り着くと、ここで亡くなったんだねと一応手を合わせた

たしか当時テレビで報道されたのは、高校生3人が池のほとりでキャンプらしきことをした際に、

飲酒後勝手にボートに乗ったらしいのだが、かなりアルコールを飲んでいたのか全員溺死したそうだ

その発見された時の状態が、なぜか全員手を繋いでおり、一人が発見され引き上げると三人連なっていたとのこと

目の前のボートは5~6艘

ゆるい風のせいで水面をフワフワと揺れながら動いていた

静まりかえっているボート乗り場

一番向こう側のボートだけ違和感がある

ドキドキと鼓動が早くなる

他のボートと何か違う

動く向き、早さが違う

よく見ると、沈んでいる

まるで何か乗っているように

私がどんどん恐怖に飲み込まれていた

ポチャン、ポチャン

池の中の魚が息継ぎしているのか

あちこちから水面に泡が立つ

初めはゆっくりだったのが、だんだんと数を増し、

近づいてくる気配

一番向こう側の違和感のあるボートが少しづつ離れていく

ロープで固定されているのでは?

目が離せなくなる

ゆっくりと池の中心の方へボートが進んでいく

そして止まった

止まったよと誰かが静かに言った

思わず口から漏れた感じで…

池の中から朽ち果てた木のような物が出ていた

凝視してしまう

手に見えた

魚の息継ぎのような水の泡はもう膨大な数で、私たちのすぐ足元まで辿りついていた

だめだわ、帰ろう

私たち以外の誰かには聞こえないように私は口にした

池から伸びた手は何かを探すようにゆっくり伸びている

おそらく肘くらいまではあるように見える

後ずさりした

ボートに被さっていたビニールシートらしき物がいきなり

バサッ

まるで人が起き上がったように動いた

あとはまた全員奇声をあげながら車まで走った。

この続きはまた書きます。
長くなるので。
読んでくれてありがとうございました。
では、また。

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