これは1年前の夏の出来事です。
 僕は友達とある公園で遊んでいました。その日は曇りで今にも降り出しそうな天気でした。その公園はアパートがたくさん建っている団地の近くの公園です。
 公園で遊んでいると一人の友達が、「あの『幽霊アパート』に行ってみよう!」と言い出しました。公園の近くのアパートは、幽霊が出るという噂があります。僕は心霊系は好きな方なので「うん!行こう!」と賛成しました。そして友達たちとその『幽霊アパート』に向かう途中、そのアパートの方から視線を感じたのです。サッと顔を上げて見てみると窓のところに黒い影が見えたのです。自分でも信じれませんでした。そしてその視線のことを友達に話すと4人の友達のなかの2人が見たと言うのです。なんか気味が悪いと思った友達が「俺、やっぱり行くのやめとく…」といい出しました。それでもやはり正体が気になった僕たちは、ジャンケンで見に行く人を一人決めることになりました。そして、運悪く負けてしまった僕は行くことに…
 そのアパートは誰も住んでいないのでとても静かでした。そして自分の足音だけが響きます。せっかくなのでスマホで様子を撮っていくことにしました。階段を上がっていくと、あの影が見えた階に着きました。ゆっくりドアに近づいて開くかな?と思い開けてみました。なぜか鍵はかかっていなくラッキーなのかな?と思いました。
 そしてついに部屋に入りました。心臓がバクバクしていてもう今にでも倒れそうなほど怖いと感じました。その部屋で動画を撮り、その部屋を出ようとした時です。「どん!」という音がいきなりしてもうスピードで外に出ました。
 外に出て友達の顔を見るととても真っ青であの部屋の方を指さしています。そしてその部屋の窓を見ると…なんと黒い人影が映っていたのです。その場からもみんなでもうスピードで家に帰りました。
 家に着くとあの『幽霊アパート』で撮った動画をみてみました。すると…なんとあの部屋へ行く途中から暗い声で「早く来い…」という声が聞こえるんです。そしてその部屋に入った時とても大きい声で「イラッシャイ…」と聞こえるのです。
 それからは、もうその『幽霊アパート』には行ってません。

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