これは私の友人から聞いた話です

私は友人とは同じ派遣会社で知り合いまして、友人は自営業をしているのですが、不景気で売り上げが上がらないので、時間のある時に派遣でお金を稼ぎ、生活費の足しにしていたみたいなんです

友人は心霊現象とは無縁で、見た事もなければ、なんなら少し怖がりな部分もあり、ホラー映画やそう言う類の番組も見ない人だったんですね

そして、ある冬の日の夜、取り壊しの決まった病院内の夜回り警備のバイトがあったそうなんです

先に述べた性格ですので、そんな仕事最初はもちろん断ったみたいなんですが、友人はお願いされるとノーと言えないタイプの人間でしたので、ついつい受けちゃったんですね

そこの地域は冬場氷点下になる事もあり、寒さを凌ぐ為ホームレスが病院内に入り込んだり、肝試しに若者が来たりするらしいんです

もし、病院内で何か起こると取り壊し作業に支障をきたす恐れがあるので、もし人を見かけたらすぐ出て行ってもらうようにしているみたいなんですね

そこの病院の警備に来ていた先輩に聞いたところ、肝試しの若者は結構簡単にいう事を聞いてくれるが、ホームレスに関しては中々手強いそうです

やはり、外は物凄く寒い

出て行きたくないとタダをこねるそうなんですね

そう言う時はスグ警察を呼び、後は警察に任せているそうです

さて、ここの病院は地上3階、地下1階の4フロアあり、警備員はそのフロア全てをただただ歩き回るだけの簡単な仕事みたいなんです

普段はそこに常駐している警備会社の社員と、派遣が2人の計3人で懐中電灯と無線を持って別々に見回りをしているそうです

その日は友人ともうひと方、ここではわかりやすくAさんとしておきますが、そのAさんの2人が派遣されたみたいです

最初Aさんは集合時間になっても集合場所に現れませんでした

友人は会社にその旨を伝えると、こっちから連絡してみるから、一人で向かってくれとの事でした

駅から徒歩15分位、住宅街から少し離れた場所にひっそりとその病院はありました

するとその病院の入り口に誰か立っています

友人は少し驚きましたが、派遣先の社員かな?と思い声をかけてみました

すると、その人がAさんだったんですね

なんでも、駅で待っていたが友人が来なかった為、会社に連絡して先に一人で病院に向かったとの事でした

ただの入れ違いが…

友人は正直ホッとしました

夜の廃病院にもしかした

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