私が小学校高学年の時、その日はちょうど休日で学校が休みでした。
私の父は当時病気で入院していて、母はそのお見舞いに行っていて留守でした。
兄妹も居て、兄が1人、姉と妹が1人ずつ。
その日は3人とも出かけると言って、家には私1人しか居ませんでした。
特に用事も無かった私は家で昼寝をしていました。
昼寝をしてどれくらい時間がたったのか、目が覚めたときには夕方になっていました。
「そろそろ帰ってくるかな?」
私は起きて兄妹の帰りを待つことにしました。
テレビを見ながら待つこと数十分、突然「ただいま・・・」と、妹が帰ってきました。
3人は別々な用事で出かけていて、この時は一緒には帰ってきませんでした。
「おかえり」と私は顔も見ずにいいました。
出かけたときと違って元気なさそうにしている妹が気になり、
「どうしたの?何かあったの?」と聞いてみました。
妹は「別に・・・なんでもない」と言ってテレビを見ていました。
機嫌でも悪いのかな思った私は、それ以上は聞きませんでした。
それから間もなく、兄、姉と帰宅しました。
2人も妹と同じように、暗く、元気がありませんでした。
妹に聞いたように、「何かあったの?皆して変だよ」といいました。
2人は私を見ずに、口をそろえて「なんでもない」といい、
テレビを見たり、ゲームをしたりしていました。
変だと思いつつも、特に気に留めることもなく一時間ほど過ごしました。
外が薄暗くなった頃、玄関のほうで音がしました。
見に行こうと立ち上がると、部屋の扉が空き、妹が入ってきました。
「ただいまー!お母さん帰ってない?」
私は妹を見てしばらく固まっていました。
だって・・・妹は随分前に帰ってきているのだから。
ふと、妹が座っていた場所に眼をやりました。
そこには先ほどまでの妹の姿はなく始めから誰も居なかったようでした。
すると、妹に続いて兄と姉も帰ってきました。
「ただいま、遅くなっちゃってごめんね」
姉の言葉に返事をせず、先ほどの兄達が居た方を見ました。
兄が見ていたはずのテレビの画面はは消えていて、
姉が遊んでいたはずのゲームも見当たりません。
私は怖くなって兄達に話しました。
でも、「嘘だ、そんな事ある訳ない」と、取り合ってくれませんでした。
確かに、もしかしたそんな気がしていただけなのかも知れないと思い、
私はのん気にトイレ