私はその当時、暇さえあればネトゲばっかやってました
実家住まいなもんで、深夜とかスピーカーから音出すと家族に迷惑なんで、ヘッドホンを常時装着してました
しかし、ヘッドホンの難点でもあるのですが、周りの音が聞こえない、というのがあります。
ご飯時になると、母親がご飯よーと呼んでくれるのですが、しばしばそれが聞こえず、母親が直接部屋に来て伝えにくるような状況が続きました。
私は別にやましいことをしているわけではなかったのですが、部屋に母が入ってくることが嫌で、呼びに来てくれた母についつい
「わかってるよ!」
と怒鳴ってしまいました。
怒鳴られた母は驚いたような顔をし、しゅんとして戻りました。
私は
「やってしまった…」
と後悔し、その後母に謝りました。
今度からは携帯に着信いれてくれればいいから、と伝えて。

それからしばらく経った日のことです
私はまた性懲りも無くゲームに熱中していると、背後にある部屋のドアがキィ…と静かに開く気配を感じました。
携帯を鳴らせばいいと言ったのに! イライラを我慢することができなかった私は、
「だからわかってるって言ったでしょ!!」
振り返るなりまた怒鳴ってしまいました。
すると、ドアが勢いよくガチャンっと閉まりました。
「…お母さん?」
そこで思い出しました。
今家には自分以外誰もいないってことを。

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