恐るゆっくりとバックミラーに目を向けた。

しかし 何も無かった。

なんだ?疲れてるのか?そう思いながら タクシーは 1本の街灯の下に差し掛かり 車内が一瞬明るくなった その時 あるはずの無い影を左目の端で捉え ゆっくりと顔を助手席に向けると そこには………。


タクシーの窓を叩く音で目を開けると 警官が2人 タクシーの中を覗いていた。

Nさんは 体を起し 窓を開けた。夜はいつの間にか明け朝になっていた。

すると警官が「こんな所で寝てたらダメだよ?早く車動かして !! 」そう言われて Nさんが辺りを見渡すと それは 街からだいぶ離れた場所にある大きな霊園の門の前だった。

どうしてこんな所に?幾ら考えても分からず 警官に促されて Nさんは車を動かし 警官に謝り 会社へ帰ると 配車係の中年のおばちゃんが 出て来て Nさんに向かって何か怒っている様子だったので Nさんが何を言ってるのか分からないという話をすると おばちゃんは 「例の女性からNさんに指名が入ったのよ。言ったじゃない !! それなのに 20分ぐらい待ったけど来ないって言うから 他の人を行かせたのよ⁉一体何処に行ってたの⁉」 そう捲し立てる様に言うと ズンズンと歩いて事務所に入ってしまった。


Nさんに昨日 指名連絡を受けた覚えは無かった。 そして 思い出したかの様に 私の所へ半場駆け込む形で訪ねて来ました。

一通りの話を聞いてから まず Nさんにお祓いを受けて貰いました。タクシー会社に連絡し許可を得てから お祓いをし廃車にして頂きました。

その後の事 Nさんにすべて お話しました。

最初に乗せた女性は その時に亡くなっていた事。
肌の色が変色していたので 多分 服毒。自ら命を絶たれた。何を口にしたのかは分からない
けれど…相当 もがき苦しみ 喉を掻き 亡くなっていました。

そして その後に乗せた方々も すべて お亡くなりになっていました。

自ら命を絶とうとする者にどんな理由があるのかは 人それぞれで 分り兼ねますが……

Nさんは あの女性が死に行くとは知らず たくさん話をして 笑いあった 最後の人だった。

きっと 怖さや寂しさもあったと思います。
Nさんは その気持ちを少し和らげ 現実に少しだけ引き戻したのかも知れません。

それでも死にたいという気持ちの方が強く 真っ暗な闇の中に1人降り 明かりが消えて行く方を見据えた後 あの場

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