「ねぇお兄ちゃん!聞いて!私ね、私ね!最近、怖い話にハマってるの!」
(こいつウザいんだよなぁ
いつも通り無視しよ…)
「ねぇ、お兄ちゃんは知ってる?呪われちゃう話!」
(またどうせ胡散臭いやつだろ…)
「あのね、女の子がいてね、その子と話すと呪われちゃうの!」
(そんなのよく聞くよ。くだらねぇ)
「でね、その子はね 本物に化けててね!誰にも見分けがつかないの!」
(こいつさっきから何の話してんだよ)
「話しちゃダメなんだよね。どんなこと言われても、偽物はダメなんだよね。見分けがつかなくてもね、必ず何処か違うからね、そこを見つけるとね…」
「まじなんなんだよ。うるせぇな。さっさと自分の部屋に帰れよ」
「あ!お兄ちゃん、やっと話してくれたね!」
(そうだ。俺の妹は俺のことお兄ちゃんなんて呼ばない…)



この時の、《妹ではない何かの満面の笑み》は忘れない。

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