おとといの夜、私が友達の家に泊まっていた時の話です。



その夜、友達と一緒に外に飲みに行こうと言って、友達の家を出ました。その子の住んでいる土地はかなりの田舎で、あまり何もないところでした。夜になると、人が一人も歩いていないこともよくありました。飲みに行こうとは言ったものの、周りの店は全部閉まっていたので、ちょっと遠いですが、駅の近くまで行くことにしました。駅に行くためには、暗い山の近くを通る必要があります。その山の近くを通った時のことでした。






暗い山の近くの道を懐中電灯で照らしながら二人で歩いていると、後ろを歩いていた友達が


「お前、もっと道の右端に寄れよ。邪魔になるだろ。」


と言ってきました。前方を確認しましたが、人が歩いてくる気配はありません。一体、何の邪魔になるのだろうかと疑問に思い、友達に尋ねました。


「なんの邪魔になるんだ?」


友達は眉間にシワをよせて


「前から人が歩いてくるだろ。見えねぇのか?」


と言ってきました。はて?と思い、私はもう一度、前方を確認しました。しかし、やはり誰もいません。


「誰もいねぇじゃねぇか」


と言って、友達の方を見ると、友達の顔が引きつっています。


「どした?」


尋ねると


「う…後ろ!後ろ!」


友達は、私の背後を指差しながら言っています。私は、おそるおそる後ろを振り向きました。




…しかし、やはり何もありませんでした。ただただ暗い夜道が前方に続いているだけです。何かの冗談かと思い、友達に話しかけようとした瞬間、友達が私の腕を掴んで、来た道を急いで戻り始めました。

「…おい、なにすんだよ!」

私は友達の手を途中で振り払いました。すると、友達は

「危なかった…」

と言い、周りを確認した後、安堵の表情を浮かべました。

「一体、何があったんだ?」

私が尋ねると、友達はさっきの事を話し始めました。






私と一緒にあの道を歩いている時、前方から人が来るのが見えたのだそうです。赤いコートのようなものを着ている女性でした。私に道の端によるよう注意した後、友達は、ふと疑問に思ったのだそう。
こんな真夜中に、この道を一人で通る人がいるのかと…
もうとっくに終電は過ぎています。街で飲んだ帰りといえども、こんな道を通るのは女性一人では、あまりに危険過ぎるのではないか。そして、友達は、この女性に見覚えがあり

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