予知夢とは言っても具体的なものではなく
ピエロが出てくるんですよね。
夢にピエロが出てくると必ず親戚や知り合いに
良くない事が起きるんです。

その事に初めに気付いたのは母でした。
私が幼稚園児だった頃、ピエロの夢を見たと話した翌日、
親戚が交通事故に遭い生死の境をさ迷うほどの大怪我を負いました。
その時、母は気付いたそうです。
隣人の お婆ちゃんが亡くなる前にも私がピエロの夢を見たと言った事を。
初めは偶然かと思っていたらしいのですが、その後も私がピエロの夢を見ると
身近な人に良くない事が起きたそうです。
当時の事は あまり記憶に無いのですが、小学校の高学年になった頃、
私も ある事に気付いたのです。
それは、私がピエロの夢を見たと言うと両親の表情が曇る事に…
子供心にも何か言ってはイケない事なのだと感じたのを覚えています。

そして、私が高校生になった時、父方の祖母が亡くなりました。
葬儀が終わって家に帰って来た時、母が私に訊ねました。

“もしかして、夢見た?‘’ と。

ピエロの夢の事を言っているのだと思い、黙って頷きました。
そして、

“お父さんには言わないでおこう‘’ と言われ頷きました。



その頃の私は自分が嫌で嫌で たまりませんでした。
憎しみに近かったかもしれません。
夢を見たところで、いつ、誰が どうなるのかなんて分からないし
どうする事も出来ない。悶々としたものが心の中で渦巻いていました。
そして、20代の頃、私は本当に自分を恨みました。

OL時代、一番 仲の良かった友達が病気で この世を去りました。
受診した時には手遅れの状態だったのです。
そして私は、その半年くらい前に夢を見ていたのです。
勿論、その時も いつ誰の身に何が起きるかなんて分かりませんでした。
でも、もし、もっと注意深く気にしていたら…
友達の異変に気付いてあげられていたかもしれない。
その時点で受診していたら、もしかしたら…

心底、自分を恨みました。憎みました。
暫く、自暴自棄に陥り荒れた生活をしていました。
が、
そんな私を救ってくれる人が現れ、現在の私が居ます。

その恩人の話は後日、また…

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