私の祖母の両親……私からみれば曽祖父母にまつわる話です。
曽祖父母の内、曽祖母があまり詳しくは聞いてないのですが、若くして病気で亡くなりました。
葬儀を終えて、曽祖父は仏壇に手を合わせ、言ったそうです。
「七年後に迎えにいくからね」と。
それから何年かして、曽祖父母が結婚し
祖母やその兄弟達を早く産んだ為に、祖母やその兄弟達も自立していきました。
故に曽祖父は二階建ての木造家屋に一人暮らしを始めたのですが、暫くしてある奇妙なことが起こったと祖母は曽祖父から聞いたのだそうです。
それは夜な夜な、誰かが階段を登ってくる足音が聞こえる、というものでした。
因みに曽祖父は二階で寝てたらしいです。
その足音は曽祖父の寝ている部屋の前まで来るが、部屋に入って来ることはなかったそうです。
さらに奇妙なことに、曽祖父の寝ている部屋への入り口は襖で、本来なら月明かりに照らされ、足音の主の影が見えるはずです。
しかし、足音だけして影は見えなかった。
怖がっていたどうかとかは聞いてないのですが、それから暫くしてでした。
曽祖父が交通事故で亡くなったのです。
夜中に外出し、大量に酒を飲んで酔ってフラフラになったところを車に轢かれたそうです。
しかし、違和感がありました。
祖母が言うに、曽祖父は夜中には絶対に外出しない人でした。
ただ一つだけ例外で夜中に外出することはありました。
それは家族に誘われた時。
しかし祖母もその兄弟達も一人として曽祖父を外に誘ってなどいない。
祖母もその兄弟達も曽祖父の最期の瞬間を知らなかったことが何よりの証拠と祖母は言った。
だとしたら、誰が曽祖父を夜道に引っ張りだし、酒を大量に飲ませて事故死させたのか?
それを考えた時、祖母は背筋が凍ったらしい。
曽祖父が死の数日前から言っていた影のない足音もあるが、それ以上に決定的なことがあった。
曽祖父が死んだのは、曽祖父が曽祖母の仏壇に呟いた時から、ちょうど七年後だった。
きっと曽祖母が曽祖父をあの世に連れていったんじゃないかと祖母は本当に真剣な顔でいった。
そこに嘘はないと様子から私はわかった。
何より、今までで3回はその話をしてきたのだ。
冗談にしては悪趣味だし、祖母はそんな冗談を言わない。
私は今、語る祖母の顔を思い出し、鳥肌がたちながらも、書い