俺、結構婆ちゃん爺ちゃん大好きっ子で、月に2、3回は会いに行ってた。それで、俺が5歳のとき爺ちゃんが死んだ。当時まだ子供だったから、理由は教えてもらえなかったし、大きくなってからも聞いていない。爺ちゃんが死んでから5年ほどたって、俺が10歳のころかな。婆ちゃん家の爺ちゃんの仏壇がある部屋で俺は寝てた。俺は部屋のど真ん中で寝てて、足の方は庭があって、頭の方は障子があって、その向こうは廊下だった。深夜くらいに目が覚めて、なんとなく障子の方を見たら、しろい顔が覗いてた。でも、不思議とあんま怖くなくて、(あれ、爺ちゃんかな?)って思ってた。それから何回か見たんだけど、近づいては来ないし、気づくと消えてるし、気にしていなかった。しろい顔が見え始めて3週間ほどたった頃。婆ちゃんが倒れた。急いで病院に行った。婆ちゃんはベッドの上でいっぱいの管に繋がれてて、俺が声をかけても起きなかった。母さんからは婆ちゃんはもう歳だから、あまり長くないって聞かされた。わんわん泣いて、婆ちゃんのそばを離れなかった。で、とうとう婆ちゃんが死ぬぞっていう時に、みんなで交代でずっと婆ちゃんを見ることになった。順番がきて、母さんと俺でずっと婆ちゃんをみてた。母さんがトイレ、と部屋をでた瞬間、婆ちゃんが目を開けた。俺は婆ちゃんが元気になった!って叫んだ。そしたら、婆ちゃんはずっと天井の方を見て、「お前、爺さんを何処へやった」って、聞いたことないくらい低い声でつぶやいた。母さんが帰ってきて、気づいたら婆ちゃんは目閉じてた。その日の夜、婆ちゃんは死んだ。俺は、多分爺ちゃんと婆ちゃんを連れてったやつは、夜に見たあのしろい顔のやつじゃないのかなと思う。これを見てるみなさんは、どう思います?

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